Contract Servant(コントラクトサーヴァント)を開発するアクセルマークに、ブロックチェーンゲームインフォの木村がインタビューを行いました。
3回にわたって、お送りします。
第1回 参入した理由
第2回 価値の担保について
第3回 この一年の振り返り
参加者
尾下 順治氏 アクセルマーク株式会社代表取締役
三上 裕貴氏 コントラクトサーヴァントディレクター
木村 義彦 ブロックチェーンゲームインフォ編集長
木村 : ブロックチェーンゲームに参入を決めた理由について教えてください。
尾下氏 : 前提として、スマートデバイス(スマートフォン、タブレット)がインターネットの入り口の主流である時代がしばらく続くと考えると、ゲームプラットフォームの硬直化による物量勝負がこれからも加速していくことが考えられます。
その中で体力勝負を挑むよりは、新しいテクノロジーを活用したゲーム領域というものに取り組んでいきたかったことと、ゲーム×ブロックチェーンがイノベーティブなものになりうるんじゃないか、という思いからですね。
尾下氏 : スマートフォンが登場して10年経ち、そろそろタイミング的には中心となるものが次のデバイスに移行するタイミングと予想していた方は多かったんじゃないですかね。
三上氏 : ガラケーインターネットの10年があって、そのあとにスマートフォンインターネットの10年があり、その次ということですかね?
尾下氏 : そうです。なんとなくみんなが、これまでの流れで予想をしていた10年スパンが経過しつつあって、「スマートフォンの次」に向けて、それは何がなり得るのかと近年で注目度が上がっています。
三上氏 : VRやARなども急激にサービスが増えてきてますよね。
尾下氏 : 色々な分野でチャレンジが進められていますが、なかなかスマートフォンを超えるほどの普及速度が、まだどのデバイスでも出ていないのが現状です。
グラス型などのウェアラブルデバイス、スマートスピーカー等の音声デバイスなど、様々な可能性がありますが、どれもまだメインストリームとなりうるポジションは見えていない状況ではないでしょうか。
三上氏 : そうなんですね。僕も直感ですけど、新しいデバイスはまだまだ出て来なくって、暫くはスマートフォン時代が続くんじゃないかと思っています。
尾下氏 : その状況だからこそ、スマートフォンがさらに10年くらいインターネットのメインストリームデバイスであるだろうということを前提に、ゲーム事業を考えていく必要があります。
尾下氏 : プラットフォームが成熟化していくと、ゲームって基本的にはコア化していくんですよね。前と同じクオリティのものを出してもユーザーには劣化にしか見えない。
より強い刺激をユーザーに提供していかなければいけなくなるため、歯止めなくコア化していきます。
ゲームは半永久的にコア化していく運命を背負っていて、それはどのプラットフォームでも必ず起きている状態で、思い返せばガラケーでさえもそうでした。
ガラケーのモバイルゲームのタイトルは、最初はテキストベースにちょっとしたイラストが乗っていて、ポチポチするだけのものがゲームとして扱われていましたが、タイトルが出る度にどんどんリッチ化が進んでいきました。
三上氏 : 懐かしいですね。たしかにあの頃のゲームはポチポチするだけで、ゲームとして扱っていいのか、と批判されることも少なくなかったですよね。
尾下氏 : だから、僕らとしてはビジュアルやクオリティにもこだわって取り組んでいこうと色々な工夫を凝らしてチャレンジをしていました。
最終的には僕らがやっていた天空のレギオンなど、すごいビジュアル華美になっていって、「ビジュアルの限界に挑む」みたいな感じになっていきました。
そうすると、ゲームはリッチ化して面白くなっていくんですけれど、開発や運営にすごくお金がかかる構造になるんです。
だから開発コストも、僕らが手掛けたところでいうと「キングダムクロニクル」のモバゲータイトル時代と直近の「ワールドクロスサーガ」「マジバト」を比べると10倍以上も違いがあります。
三上氏 : 実際、時間もその分掛かりますよね。ゲームをリッチ化すればするほど時間もかかりますし、開発している間にも市場はどんどん成長していって…。
正直な気持ち、早くユーザーさんにプレイしてもらいたいという気持ちを抱えつつ、最高に楽しんでもらいたいからもっと完璧に作りきりたいという葛藤もあります。
尾下氏 : そこまでコアになっていくと、今度は物量の勝負になってきます。
物量の勝負になったときに、大手のプレイヤーと同じフィールドで戦うのは非常に厳しくなります。
特に最近では、中国の大手企業が世界中にゲームを提供しており、圧倒的なマーケティングコストを投下する事例が多く見られています。
中国企業が提供し、日本で流行ってるゲームの大体がそうですけど、自国で開発費や一定の利益を回収し終わってから日本に来るんですよね。
だからもう、当然KPIも含めて、ゲームとしての品質が保証されている状態で、日本で稼いだ分を日本のプロモーションに全額突っ込む、要はプロモーション比率100%みたいな戦い方をしてきています。
三上氏 : 確かに実際にリリースされたゲームを触ってみると、リリース直後から完成度高いなって驚かされます。
僕らの場合は、リリース後はバグを修正したりイベントを準備したりで、プロモーションは運用が安定してからということが多いですが、リリース直後から完成されていて、ゲームの心配なくプロモーションをかけられるってなったら、売上全額をプロモーションに突っ込んでゲームを盛り上げるっていうのは最高の施策かもしれないですね。
尾下氏 : そんな難しい環境ではありますが、僕らはやっぱりゲームを作り続けたいと思っています。なので、新しいマーケットを探して、それが例え整った環境じゃなくても勝負していくしかない。
それは、ソーシャルゲーム黎明期もそうだったし、ビデオゲームの黎明期も恐らくそうだったろうと思いますが、まだ領域としての評価は定まっていないけど、将来性はあるなという段階で参入して、先行者としてのポジションを取っていくということでもあります。
という戦略的な側面も参入した理由ですが、それは理由の3割くらいです。
尾下氏 : 参入した残り7割の理由なのですが、
僕の考えるイノベーションとか新しいこと、イノベーティブな何かって、世の中にない価値を突然提供して、それが受け入れられる、ということでは無い、と思ってるんですね。
なんとなく今まで常識として捉えられてきたけど、よくよく考えればおかしくないかなとか、選択肢があるならこっちの方がいいよねっていうものが新しい技術の力によって具現化されて、受け入れられるようになって、一気に広がっていくのがイノベーションかなと思っています。
Uberはその最たるものと思っていて、タクシーじゃなくても、誰かが目的地に運んでくれるなら誰でもいい。
「確かにそれ心地いいよね」、「移動っていうものからもっともっとみんな自由になれるよね」と受け入れられました。
今回のブロックチェーン×ゲームという領域でいうと、「ゲームにこんなに金と時間使って、運営が閉じるって言ったらゼロになるのはおかしい」、「買ったアイテムは僕のものだし、かけた時間も僕のものだよね」というところを当たり前にしていくには、これはブロックチェーンでないとできない。
TrustlessでDecentralizedな仕組みの上で、なおかつ、ゲームの運営会社の手を離れたところで、定義、認識される構造がなければ、ゲーム内のアセットや体験などをずっとユーザーの元に残すことはできないわけです。
運営会社に管理されているものじゃなくて、本当にパブリックに、自分のゲーム内での活動の証が存在する状態になると、みんなが「こっちの方がいいや」と僕はなると思っています。
三上氏 : ブロックチェーン×ゲームの組み合わせは今までなかった当たり前のことが、当たり前の形になっていくようにも思えますよね。「僕がなけなしのお金で使った数万円を、ゲーム側の都合で勝手に消すな!」とか。
尾下氏 : そういうことですね。ブロックチェーンとゲームの組み合わせというのは、運営会社によって管理されていたゲーム内のアセットや履歴などをユーザーの手元に戻す、民主化みたいなもので、イノベーティブなものになりうると思っています。
第2回では、エコシステムを循環させる上で重要な価値の担保について、どのようにContract Servant(コントラクトサーヴァント)が考えているのかを紹介します。
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◆ゲーム紹介◆
サーヴァントと呼ばれるキャラクターカードによる陣形タクティカルバトルゲームです。
サーヴァントには、コモンサーヴァントとトークンサーヴァントが存在し、トークンサーヴァントはブロックチェーン上で管理されています。
またトークンサーヴァントは例え同じ絵柄のサーヴァントでも一つとして同じパラメーターの個体は存在しません。
毎週月曜日から開催されているリーグバトルで世界中のプレイヤーと順位を競い合い、一週間の開催期間を経て、
トークンサーヴァントや豪華アイテムなど魅力的な報酬を獲得しよう!!
▼ゲームプレイで資産を作ろう!
リーグ報酬などで獲得したトークンサーヴァントは、NFT(非代替性のトークン)として、自分の資産になります。
獲得したトークンサーヴァントはマーケット機能でのユーザー間取引により暗号資産のイーサリアム(ETH)と交換することも可能です!
※コモンサーヴァントはマーケットでの売買、また他ユーザーへの譲渡などはできません。