Sky MavisがAxie Infinityの土地NFT保有者向け新アーニングシステム「Terrariums V1」を2025年6月17日にローンチ。Homeland後継となる仕組み、Mystic Axieによるブースト設計、AXS報酬の概要と持続可能性をくわしく解説する。
Sky Mavis(本社:シンガポール、以下、Sky Mavis)は、ブロックチェーンゲーム「Axie Infinity」の土地NFT保有者向け新アーニングシステム「Terrariums V1(テラリウムズ V1)」を2025年6月17日にローンチした。前身となる「Homeland」を引き継ぐ仕組みで、土地NFTを保有するプレイヤーがAxieを配置することでAXSトークン報酬を得られる設計となる。Mystic Axieによる報酬ブースト要素を含み、長く塩漬けとなっていた土地NFTを「使える資産」へと転換する試みだ。
Axie Infinityの土地NFTは、これまで明確なユーティリティが乏しく、多くのホルダーにとって「ただ持っているだけ」の資産だった。Sky Mavisが新たに公開した「Terrariums V1」は、その状況を一変させるアーニングシステムとして位置づけられている。
仕組みはシンプルだ。土地NFTを保有しているプレイヤーが、自分のAxieを土地に配置することで、時間経過とともにAXSトークンを獲得できる。前作「Homeland」での運用ノウハウを踏まえ、報酬設計をよりわかりやすく整理した形でのリリースとなった。
土地NFTは2021年のセールで高額取引が相次ぎ、Axie経済圏の象徴的な資産だった。だが長期にわたって明確な収益源が示されないまま時間が経過し、コミュニティからは「いつ使えるようになるのか」という声が強まっていた。今回のローンチは、その問いに対するSky Mavisからの正式な回答となる。
Terrariums V1には、報酬を加速させる仕組みとして「Mystic Axie」が組み込まれている。Mystic Axieとは、創世期に発行されたきわめて希少なAxieで、現在の流通価格は1体あたり数十ETH規模に達することもあるトップレアだ。
土地にMystic Axieを配置すると、通常のAxieを配置した場合と比較して報酬倍率が大きく上振れする設計となっている。希少資産を持つホルダーへのインセンティブを明確化することで、長期保有者を報いる狙いが透けて見える。
一方で、コミュニティ内では設計への賛否が分かれている。「希少NFTを持つトップ層に報酬が集中しすぎるのではないか」「新規参入者が現実的に到達できる報酬水準なのか」といった疑問の声もあがる。Sky Mavisはこれまでも報酬設計をめぐる議論に何度も向き合ってきた経緯があり、Terrariums V1の運用初期は数値調整が入る可能性が高い。
格差を許容することで長期保有を促す設計と、新規ユーザーが入りやすい裾野の広がりとのバランスをどう取るのか。復権を狙うAxie Infinityにとって、初期データのフィードバックとチューニングが鍵を握る。
前身となる「Homeland」は、土地NFTを軸にした拠点運営型のゲームモードとして提供されてきた。リソース収集や戦闘要素を含む比較的重めのコンテンツだったが、プレイ継続のハードルや報酬設計の複雑さが指摘されていた。
Terrariums V1は、その反省を踏まえてシンプルな「配置型」のアーニングシステムに振り切った形だ。複雑な操作を必要とせず、土地とAxieを組み合わせるだけで報酬が発生する構造は、ライト層の参加ハードルを大きく下げる。
ただし、ここで問われるのが持続可能性の問題だ。AXSをアーニング報酬として継続的に供給するには、それを支えるトークン需要やバーン設計、外部からの資金流入が欠かせない。過去のP2Eブーム時代、Axie Infinityは報酬インフレと需要減退の循環に苦しんだ歴史がある。
Sky Mavis関係者は公式ブログで「Terrariumsは長期的なエコシステム設計の一部であり、今後段階的に機能を拡張していく」と説明している。V1という名称が示すとおり、今回のローンチはあくまで出発点だ。今後のV2、V3への拡張で、戦闘要素やクラフト要素、ソーシャル機能などが追加される可能性が高い。
土地NFT保有者にAXS報酬が流れる仕組みが稼働することで、AXSトークンの需給バランスにも変化が生じる可能性がある。アーニング報酬として新たに市場に供給される量と、ホルダーが保有を継続するインセンティブのバランスが、価格動向を左右することになるだろう。
Axie Infinityは2021年のP2Eブームの象徴的存在として一世を風靡したが、その後のトークン価格下落とユーザー離れを経て、ここ数年は静かな再建期間が続いていた。Origins(カードバトル)への進化、Homelandの導入、新作MMO『Atia's Legacy』の発表など、Sky Mavisは多角的にエコシステムの立て直しを進めてきた。
Terrariums V1は、長く休眠していた土地NFTという巨大な資産クラスを再起動させる試みであり、Axie経済圏に新たな循環を生み出す可能性を秘めている。ホルダーの満足度、新規参入者の流入、AXSトークンの需給バランス——複数の要素を同時に成立させる必要があり、まさにAxie Infinity復権の試金石となる施策だ。
Terrariums V1は、Axie Infinityが抱えてきた「土地NFTの未利用問題」に踏み込む重要な一歩だ。Mystic Axieによるブースト設計は希少資産保有者を厚く報いる一方、新規層との格差を生むリスクもはらむ。過去のP2E失速の教訓を踏まえ、持続可能な経済設計をV2以降でどう描くかが本当の勝負になる。土地NFTが再び動き出した今、Axie Infinityの次章をじっくり見届けたい。
Axie Infinity 公式ブログ(Terrariums V1):https://blog.axieinfinity.com/p/terrariums-v1-is-live
Axie Infinity 公式サイト:https://axieinfinity.com/
Sky Mavis 公式サイト:https://skymavis.com/
BlockchainGamer.biz 関連記事:https://www.blockchaingamer.biz/news/42450/sky-mavis-launches-axies-land-nft-game-terrariums/
Axie Infinity(アクシー インフィニティ)はブロックチェーン上でAxieというキャラクターを育成していくブロックチェーンゲームです。
アクシーと呼ぶ不思議な生き物を収集、育成してバトルやミニゲーム、クエストなどのコンテンツで構成されています。
ランドの提供を開始しています。
またDeFi(分散型金融)の仕組みをゲームとリンクする(GameFi)などブロックチェーンゲームとして最先端の取り組みにチャレンジしています。
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