Web3ゲームの93%が「実質死滅」——Caladan報告が暴く120億ドル超の惨劇と生き残り7%の条件

Web3ゲームの93%が「実質死滅」——Caladan報告が暴く120億ドル超の惨劇と生き残り7%の条件

Caladanが公開した最新レポートによると、2020年から2026年初頭までにWeb3ゲームへ投じられた120〜150億ドルのうち、93%のプロジェクトが実質的に死滅したことが判明。トークン先行型の資金調達や持続不可能なP2E経済など、5つの構造的失敗要因と、生き残った7%に共通する「ゲームファースト」の条件を読み解く。

Web3ゲームの93%が「実質死滅」—投資ファンドCaladan(本社:シンガポール、以下Caladan)が4月22日に公開したレポートが、ブロックチェーンゲーム市場に冷や水を浴びせている。2020年から2026年初頭までに投下された120〜150億ドル規模の資金の大半が消失し、トークン平均価格はピーク比95%下落。市場の崩壊は単なる景気循環ではなく、構造的欠陥に起因していたという衝撃的な分析だ。CoinMarketCapも引用したこのレポートを、一次ソースから深掘りする。

120億ドルが流入も93%が死滅——Caladanが示した冷酷な数字

ChainPlayが3,200を超えるGameFiプロジェクトを分析した結果、その93%が「実質的に死滅状態」にあることが明らかになった。トークン平均価格はピーク比で95%下落し、Web3ゲームに投資したVCの58%が2.5%〜99%の損失を確定させているという。

資金流入の推移も衝撃的だ。2020年に7,000万ドルだった投資額は、2022年に40億ドルのピークを迎えた後、2025年には約3.6億ドルまで縮小。さらに2025年5月には、月間のグローバルWeb3ゲーム投資が900万ドルの単一案件のみという月もあった。

Web3ベンチャーキャピタル全体に占めるゲーム分野の割合も、かつての62.5%から一桁台へと急落している。代わりに資金を吸収しているのはAI、リアルワールドアセット(RWA)のトークン化、L2インフラだ。ゲームセクターから明確に資金が逃げている構図が浮かび上がる。

5つの構造的失敗——なぜ大半のプロジェクトは沈んだのか

Caladanは、93%という失敗率を市場サイクルではなく構造的欠陥として整理している。

プロダクト不在のままでの資金調達

プレイ可能なビルドが存在しない段階でトークンやNFTを販売する手法だ。Pixelmonは2022年2月のNFTミントで7,000万ドルを調達したが、4年以上経った現在も公開ゲームを出荷していない。

メタバースのベイパーウェア

デモリールだけで壮大な世界観を約束するパターン。The SandboxはSoftBankから9,300万ドルを調達したが、デイリーオンチェーンユーザー数は約4,500人を超えたことがない。

持続不可能なトークノミクス

P2E経済は新規プレイヤーの継続的な流入を前提とする構造で、新規参入者が支払うトークン購入額が既存プレイヤーの報酬原資となる仕組みだ。成長が止まれば報酬が崩壊し、プレイヤー離脱とトークン暴落が連鎖する。Axie Infinityはデイリーユーザー280万人のピークから9.9万人へと激減した。

コーポレートガバナンスの破綻

Gala Gamesは2億ドルを調達したが、共同創業者同士が1.3億ドル相当のトークン窃盗をめぐり訴訟中だ。

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終わらない開発

Star Atlas、Shrapnel、Illuviumの3タイトルは合計7,000万ドル超を費消しながら、それぞれ4年以上経っても未完成のままとなっている。

ギルド、Tap-to-Earn、ガバナンス——複層化する崩壊

ダメージはスタジオの失敗だけにとどまらない。ギルド系の代表格Yield Guild Games(YGG)のトークンは過去最高値から99.6%下落。Telegram上で大流行したTap-to-Earnゲーム「Hamster Kombat」は、ピーク時3億人いたユーザーが半年で1,200万人まで激減した。

Web3ゲーム全体のデイリーアクティブウォレット数も、2025年1月の700万超から第3四半期には466万へと、9カ月で33%減少している。あらゆる指標が右肩下がりだ。

生き残った7%の共通点——「ゲームファースト」という解

それでも生き残ったプロジェクトには明確な共通点がある。Caladanは、生存者の特徴を「まずゲームを作り、ブロックチェーンは後から統合した」「トークノミクスを補助的な仕組みとして扱った」「メインストリームのゲーマー層を狙った」の3点に整理する。

具体例として挙げられているのが、Gunzilla Gamesが手がけ1億ドル以上を調達した『Off the Grid』だ。Web3ゲームとして初めてSteamに本格参入した主要タイトルとなった。また『Cambria』はPvP賭け金として1.5億ドル超を処理し、同時接続4,500人を獲得している。

ブロックチェーンを「見えないインフラ」として扱う、いわゆる「Web2.5」型のスタジオも収益を上げ始めている。ただし、いずれもメインストリーム規模には到達していない点は冷静に押さえておく必要がある。

これから注視すべき5つの変数

Caladanはレポートの結論として、今後Web3ゲームの行方を占うために観察すべき5つの変数を提示している。

1. ゲームファースト型モデルの財務的持続性(Off the Gridは1億ドル調達後も従業員に給与を払えていないという指摘)
2. メジャーパブリッシャーの本格参入(現時点で旗艦フランチャイズをコミットした大手は皆無)
3. Animoca Brandsのナスダック上場(目標評価額50〜100億ドル)の成否
4. Web2.5路線の進展とゲーム領域でのステーブルコイン採用
5. 2026年初頭のトークン高騰が、運営改善に裏打ちされた持続的なものか、次の下落で崩壊する一過性のものか

まとめ

120億ドルという巨額資金が投下されながら、その大半が消えた事実は重い。だが裏を返せば、業界はようやく「投機ありき」のフェーズを通過しつつある。生き残った7%が共通して持つ「面白さ優先・ブロックチェーンは裏方」という哲学は、Web3ゲームが次に進むための必須条件と言える。アーリーアダプターにとっても、トークン価格よりもゲームの完成度と継続性で評価軸を切り替える時期に来ているのではないだろうか。

Caladan公式レポートhttps://caladan.xyz/12-billion-in-93-percent-dead-web3-gaming/
Caladan公式サイト:https://caladan.xyz/
ChainPlay:https://chainplay.gg/

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