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TCG × ブロックチェーンの可能性を考える第四回 PvPについて

TCG × ブロックチェーンの可能性を考える第四回 PvPについて

第一回 ブロックチェーンの可能性
第二回 コミュニティの在り方
第三回 海外との違い
第四回 PvPについて
第五回 炎上を振り返る

▼対談参加者(写真左から)
宍戸英治氏(WILL STUDIO 株式会社 代表取締役:世界4位の売上実績を誇るTCG 「FORCE OF WILL」の生みの親)
小澤孝太氏(CryptoGames株式会社 代表取締役:「CryptoSpells」プロデューサー)
若山 史郎氏(株式会社チアード 代表取締役:日本最大級のTCG専門店「晴れる屋」元代表)
Koroneko氏(高校生で日本人初の「Hearthstone」プロゲーマー)

前回のインタビュー

競技大会は必須か

若山氏 : 大会って必須なんですか?


小澤氏 : TCGではプロモーション方法としては一般的ですよね。


若山氏 : そんなに頑張ってPvP頑張らせる必要って特にないと思っています。
TCGってそもそも勝率が50%なんで、50%は成功体験じゃない、2分の1で常に敗者が生まれます。
だから手段は大会じゃなくてもいいんじゃないのかなって、個人的には思ってます。

小澤氏 : 大会って一人以外全員敗北ですもんね。

若山氏 : ストイックな大会構造にするなら、1位以外意味がないという世界になっちゃうんですけど。
別に例えば僕、デジタルのゲームもアナログのゲームもやるんですが、大会に出ようと思ってやってるゲームって無いんですね。



今現在でいうと。月にだいたい50時間以上はゲームをプレイする時間を作っています。これ、普通の人からしたら多い方だと思うんですよ。
それでも、もうここ6、7年くらいは「大会に出たい」って思っても、別に練習するわけでもなく、楽しくやっておしまいです。

カードゲームに関して言うと、僕は元々脱サラして「プロになるぞ」って思ったくらいには、世界大会にも出たし、頑張ったんですが、その上で、このゆるい遊び方が僕はすごい気に行っています。

例えばですけど、フットサルやってる人がメッシのプレイ見て失望しないし、フットサルをあきらめわけでは無いじゃないですか。

なので大会機能ってそんなに強く押し出す必要は、特にブロックチェーンゲームだとないんじゃないかな。

殺伐とすると、基本ユーザーはやめて行くので。
村として楽しく運営していただいて、その中でたまに「おらが村」の1位を10人ぐらい集めて、ショーとして大会をやる。みたいな方があってるんじゃないのかなって思いますね。

(クリプトスペルズの構造上)構造上DAUが10万人とか普通ならないじゃないですか。なったら素晴らしい未来ですが。

そう考えると対戦する要素自体はあっても、大会ではないんじゃないのかなっていう気がしますね。


小澤氏 : 「おらが村」の1位を決めるみたいな世界観はあっている気はしますね。
クラス20人の中で優勝すると、みんなからすごいじゃんみたいな、クラスのヒーローになれるような世界観を作りたいです。

若山氏 : そうなんですよ。でもおらの村の1位を10人集めて、最終決定戦やっても、それこそ9人×10の村はみんな悲しむわけじゃないですか。負けた村は「うちの村はやべぇ」みたいな感じになるので。悲しみしか生まないので。
「お前すげえな小澤!」って周りがずっと言ってて、小澤もまんざらでもない世界が一番幸せな世界だなと思いますね。

ゲームバランスと運

小澤氏 : ブロックチェーンゲームで言うと、やろうと思えば相手が何のカードを持っていて、それに対してこのデッキを出すみたいなことができるので、結構日本人とは相性はいいんですかね?

例えば大会で、次あたる対戦相手が世界で1枚だけのレジェンドを持ってるのかどうかを事前に知った状態も可能になります。

若山氏 : それはTCGもデッキリストを事前に提出するので、相手のデッキが分かっていると言えば、分かっているんですよ。
仕組みとしては面白いなって思うんですけど、ウケるかと言うとわからなくて、特にゲームプレイヤーの中でも全然違いますよね。

宍戸氏 : 誰に向けてのうけるかを考えてやらないといけない。

若山氏 : 特にトレーディングカードゲームをやっている人たち。「カードゲーマーの方挙手して下さい」って呼びかけた時に手をあげる人たちって、特性として情報の多い少ないを選択してもらうと、情報が多い状態を好む人がすごく多いんです。
情報あるかないかでいうと、あったほうがいいって皆さんほぼ反射的に思うんですけど、実はそんなことなくって、情報って絞ってあげたほうが楽しいことはたくさんあるんですね。

誰がどのカード持ってるかわかるっていう状態のゲームは本当に楽しいのかっていうと、例えば今のシャドウバースがその状態になった時に楽しいかって言ったら、多分クソゲーなんですね。

それを想定して作られたゲームではないので、当たり前なんですけど。


小澤氏 : 相手が何のカードがわからない状態が一番楽しいかもしれない?

若山氏:正解かはわからないけど、わからない状態だからこその楽しさはたくさんあると思います

アナログ、デジタルに関わらず、カードゲームは運の要素が必ずあります。その中で、運の要素が強いかどうかは、ゲームによって違います。ハースストーンは結構ランダム性強いですよね。
運の要素の強弱、どっちが正しいかって話ではなくて、ランダムが楽しい瞬間もあれば、それが原因でもうやめたいみたいな瞬間だって絶対ありますよね。

カードゲームの、デッキというものが存在する時点でだいぶランダム性が高いので、結局どう見せるかだと思います。

小澤氏: 囲碁とか将棋とかは運要素が低く、競技性が高いですものね。

若山氏:カードゲームからランダム要素をなくしていった方がいい。っていう人に対して、じゃあ囲碁とか将棋やれっていう、テンプレみたいな返しありますけど、そういうことを言いたいわけじゃないことはみんな理解はしたうえでやり取りしていて。

囲碁や将棋のプロにはなかなか勝てなくても、カードゲームだったら勝てるかもしれないんですよね。

情報が多くても、処理できない情報ってめんどくさいだけだから、絞ってあげてこの中で考えてごらんよ、この部分はみんな秘密(ランダム)だよという方が多分ゲームは楽しいですよね。ランダムが無いと、勝負のあやが生まれない。

解明できない情報があっても、人は放棄するだけなんです。ただ、放棄するんですけど、「じゃあ使わない情報なら隠していい?どうせ使わないじゃん」って言ったら、「一応もらっていいですか」って、言っちゃいます。もらえるものは欲しいというのが人の性なので。

なので、情報がオープンである。クリアである。選択肢が広い。ということを標榜するという選択肢もあれば、そうじゃないよっていうこともあります。

小澤氏 : なるほど。隠したほうが面白いという選択肢もあるということですね。

若山氏 : (ブロックチェーンカードゲームは)そっちの方が向いてるゲームだと僕は思います。

小澤氏 : TCGのゲームバランスは、勝ったときは実力だと思えて、負けたときは運のせいにできるというのがベストと聞きますが、
隠しているところが多ければ多くするほど、相手が悪かったみたいな運のせいにもできるので、ユーザーとしてはストレスないのかなと思いました。

若山氏 : しょうがないと思えるゲームが一番いいですよ。

小澤氏 : PUBGとかいいバランスですよね。

気持ちの良いマッチング

宍戸氏 : PvP はマッチングのところがキモですよね。気持ち良いマッチングにつきますよ。

小澤氏 : マッチングの話で、PUBGは100人で戦うんですけど、50人ぐらいボットらしいんですよね。

若山氏 : モバイル版ですよね。あれマジ天才だと思います。
「初プレイで18キルでドン勝つした。」ってツイートした後に連絡が来て、「あれボット混ざっているらしくて、そういうツイートをさせて拡散させたいらしいよ」って言われて。恥ずかしくて死にたくなりました(笑)

小澤氏 : いきなり玄人しかいないと、初心者ユーザーには辛いので、きちんと成功体験が積めるようにしなければいけないと思っています。

一方で、ゲームのDAUが増えるまでは同ランク帯のユーザーとはマッチングしません。うまくその辺りの期待値を調整をしながら「負けてもしょうがないと思える」状態を作っていくのがいいのかもしれません。

第五回に続く

第五回では、CryptoSpellsの炎上を振り返ります。
こうご期待ください。

TCG × ブロックチェーンの可能性を考える第五回 炎上を振り返る | ブロックチェーンゲームインフォ(BlockchainGame Info)

第五回では、プレセールでの炎上を振り返ります。
また、そこからこれからどういう機能を実装すればCryptoSpellsがうまくいくのかについての熱い議論が繰り広げられました。
今後、ここで語られた機能のどれかが表に出てくることがあるかもしれません。


▼対談参加者(写真左から)
宍戸英治氏(FORCE OF WILL株式会社代表取締役:世界4位の売上実績を誇るTCG 「FORCE OF WILL...

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【クリスペ】クリプトスペルズ(Crypto Spells)

Crypto Spells(クリプトスペルズ)はCryptoGames株式会社が開発・運営を行うブロックチェーントレーディングカードゲームです。
デジタルカードはNFTとしてユーザー同士で自由な売買ができることで、
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次の記事→TCG × ブロックチェーンの可能性を考える第五回 炎上を振り返る

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