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【CryptoSpells】TCG × ブロックチェーンの可能性を考える会第一回 ブロックチェーンの可能性

【CryptoSpells】TCG × ブロックチェーンの可能性を考える会第一回 ブロックチェーンの可能性

今回、CryptoSpells (クリプトスペルズ)リリース前対談として、カードゲーム界の方々を交えて、TCG(トレーディングカードゲーム)、DCG(デジタルカードゲーム)から見たブロックチェーンゲームについて対談を行いました。
本日から5回にわたって、以下の予定でお届けします。

第一回 ブロックチェーンの可能性
第二回 コミュニティの在り方
第三回 海外との違い
第四回 PvPについて
第五回 炎上を振り返る

▼対談参加者(写真左から)
宍戸英治氏(WILL STUDIO 株式会社 代表取締役:世界4位の売上実績を誇るTCG 「FORCE OF WILL」の生みの親)
小澤孝太氏(CryptoGames株式会社 代表取締役:「CryptoSpells」プロデューサー)
若山 史郎氏(株式会社チアード 代表取締役:日本最大級のTCG専門店「晴れる屋」元代表)
Koroneko氏(高校生で日本人初の「Hearthstone」プロゲーマー)

ブロックチェーンによって変わること

小澤氏 : まず、よく言われることですが、ブロックチェーンによって発行枚数と、誰が所持しているのかが明確になります。
今までデジタルの世界では、音楽でも、攻略情報でも、簡単にコピーすることができるようなりました。ブロックチェーンが出てきたことによって、デジタルデータにもオリジナルという概念が出てきたと思っています。アナログTCGでもありましたよね、世界で1枚のオリジナルカードに価値がついて、売られているのはレプリカみたいな。

宍戸氏 : 今GodsUnchainedですごいカードが出ていますよね。1コス10/10でしたっけ?

小澤氏 : 1コス10/10で相手のデッキを変えてしまうカードなんですが、それが当時価格で700万で売れていますね。もしかしたら大会には使用できないかもしれませんが。

発行枚数が制限されたゲームは面白くなるのか?

若山氏 : TCGとDCGでかなり違うと思っています。
DCGはそもそもトレーディング要素がないのでトレーディングカードじゃないんですが、
今のDCGは、強いデッキをネットで調べて、そのカードを集めてラダー(ランク戦)を回すゲームであって、自分でデッキを作るゲームではもうすでになくなっています。

小澤氏 : まずは攻略サイトやツイッターで勝率の高いデッキ調べて、カードを揃えるところから入りますよね。

若山氏 : でも僕は、一番カードゲームが楽しいのは、情報とかは特に入れずに、僕の考えた最強デッキを使って、友達と遊んでいる時間が一番だと思っています。
なので、新しくDCGがリリースされましたって時は、縛りプレイをするんです。攻略サイトを見ないし、それこそツイッターもよくデッキをあげる人はリムるみたいな。
その瞬間が一番楽しいと思っていて、その期間が長く続けばいいなぁと思っています。

ゲームの楽しみ方が「ラダーを回して、ランクを上げてね」という部分がパブリッシャー側が提示するゲームの楽しみ方のメインストリームになってしまっているという側面はあると思っていて、「そこに行かないゲームを作る」というのは、ブロックチェーンゲームの可能性としてはすごく大きいと思っていますね。

小澤氏 : 僕も弟が二人いるんですけど、小さい頃遊んでいたときに、弟のカードとかお互いに全部知っているんですよ。お互いの手持ちを知っている状態の中で、どうしたら勝てるか考えてデッキを作るみたいなのは、すごく楽しかった思い出がありますね。 「あれ、お前このカード持ってたっけ!?」みたいな。

地方のTCG事情とブロックチェーンゲーム

若山氏 : カードの枚数が制限されてる状態って、地方で言うと制限されてるんですよ、実際。

函館が地元なんですが、当時20年前は、Magic the Gatheringをやっていると、普通に函館の市場に枚数の制限があるカードが絶対に出てくるので、欲しくても買いようがないんです。
通販はないですし。あのカードが欲しいからダストにして、何か買うという概念すらそもそもないので、もう探しに行くしかないんですよね。

「あっちのショップに持っている奴いたらしいぜ」みたいな、ほぼRPGなんですよ。

探し出して「あのカード持っているって聞いたんですけど、トレードしてもらえませんか」と聞くと、「いや初めて会うやつとはトレードしない」と返ってきて。これ何のRPGだよみたいな世界観。

でも実際、「取引するためにはどうしたらいいですか?」「まずはどんな方か知りたいです。」っていう、ビジネス上のお取引とそんなに変わらないんですよね。

なので「大会で何度か会いましたよね」と顔見知りになったら、トレードしてくれたりとかもする。そういう世界観は、カード枚数に制限があると、楽しい。

小澤 : メルカリでコメントして価格の交渉するのが楽しいみたいな。売買もエンターテイメントとして成立しますよね。

若山氏 : アナログでも結局大会で勝ちたいなと思ったりすると、「強いデッキの情報を集めて、強いデッキを使って勝つ」っていう、さっきお話したDCGの世界と全然変わらない感じになっちゃうんですけど。別にそれをやんないとゲームは楽しくないかというと、全然そんなことはない。

TCGとかDCGという定義に無理に合わせて行く必要はそもそもなくて、再定義してやれるって見ると、ブロックチェーンゲームはめちゃくちゃ未来があると思います。

小澤氏 : さっきおっしゃっていた、色々なショップ探し回るとか、その人に直接交渉しに行くみたいな、それできる世界観にブロックチェーンゲームはなってくるかなと思っています。

ゲームによっては外部のマーケットでアセットの取引ができたりとか、もしくは直接的にそのユーザーにTwitterでメッセージを送って、貸してくれませんかみたいな取引ができるようになっていて、完全に金額だけじゃなくて、「その人だから売る」「その人だから貸し出す、スポンサーする」みたいな概念が生まれたのは面白いですよね。

若山氏 : アナログゲームでもそうした事は普通にありますね。大会結果によって、カードを貸してくれたお礼がよくなる。例えば、お礼にご飯奢るね。とかよくあるんですけど、お店のグレードが変わるとか。
その辺が、ブロックチェーン技術によって、お礼というか、貸し借りという行為に価値が発生するのは面白いなと思います。

小澤氏 : 理想としてはスマートコントラクトで、借りる際はイーサリアムをデポジットするとか、賞金の折半の割合が50%50%ですよとかを決めらているとか、信頼性がある貸し借りも実現することが可能です。

宍戸氏 : 仮パクできないわけね。

不均衡なゲームの楽しさは

小澤氏 : 一方で、ブロックチェーンゲーム は一般的に所有しているアセットで勝負をするので、どこかで不平等なゲームではないか。という議論はどこかで出てくると思っています。

MMOやブラウザゲームも平等ではなかったですが、特にカードゲームを題材としていると、eスポーツの文脈で「みんなフェアな戦いでなければいけない」という概念が暗黙の了解にありますね。

若山氏 : 僕は極論、不均衡な大会でも面白いと思っています。

ヨーロッパのサッカーやモータースポーツも似ているかもしれませんね。技術の粋を集めてトヨタとベンツが殴り合っているんですよ。それがつまらないかというと、そんなことありません。結局、そのゲームが何を提供したいかなので。

ブロックチェーンゲームという文脈の中で言うと、オープンな大会にはならないということを前提にすると、結構大きく変わると思いますね。

ユーザー目線での平等さ

小澤氏 : プレイヤー目線ではいかがですか。

koroneko氏 : 僕はいろいろなゲームやってきましたが、自分がしてきたゲームや売れているゲームはどのゲームもやっぱり平等のところがあると思います。
例えば、とあるeスポーツゲームであれば、お互い1レベルから何もアイテムを持ってなくて、所持金も500円からスタートですし、カードゲームであれば、お互い全カードの中から自分の好きなカードを選べて、そこからデッキを作って、それを比べてバトルするというやっぱり平等のところがあります。
アナログTCGも店舗とか行けば欲しいカードを買えるので、フェアの条件として成り立っているのかもしれません。とあるTCGでは強いカードや、発行枚数が決められているカードは、左下に「公式大会では使用できません」とちゃんと書かれているんですよね。

今のeスポーツの文化について行くのであれば、大会のモードでは全てのデッキからカードを選べるというシステムを採用しないと、いまのeスポーツ文化としては扱われないんじゃないかと思っています。

あくまで「今のeスポーツの文化について行く」という話ですが。

宍戸氏 : 異種格闘技戦が面白いかって話ですよね。面白いとも思うし、逆にいうと柔道やボクシングみたいに階級とかレギュレーションをきちっとやって、しのぎ削るみたいなのもありだと思うし、どういう定義にするかなんでしょうね。

koroneko氏 : どれを選ぶのもありだと思いますが、どこがターゲットになっているのか次第だと思います。

小澤氏 : 例えば今回はみんなが持ってるブロンズのカードだけでデッキを組んで、大会をしましょうとかだったら、成立するという訳ですね。

宍戸氏 : そうですね。体重一緒だし、エンジンも一緒だしね。

第二回に続く

第二回では、コミュニティ運営の在り方について、Force of Willを世界に広めた宍戸氏が体験を語ります。

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【クリスペ】クリプトスペルズ(Crypto Spells)

◾️ゲーム概要
Crypto Spells(クリプトスペルズ)は、日本初のブロックチェーンを利用したトレーディングカードゲームです。2019年にリリースされ、NFTカードを用いたバトルや取引が可能なゲームで、プレイヤーはブロックチェーン技術に基づいたカードの所有権を持ち、ゲーム内外で取引ができます。プレイヤー同士の対戦や、定期的に開催されるトーナメントを通じて報酬を獲得することが可能です。

◾️コンテンツ
CryptoSpellsは、デジタルカードを使って戦略的なデッキを構築し、他のプレイヤーとPvP形式で対戦するトレーディングカードゲームです。カードはNFTとして発行され、所有者はそれを自由に売買できます。また、プレイヤーはバトルで勝利することでレベルアップし、チケットを獲得して新しいカードを得ることが可能です。

◾️機能
•NFTカード: EthereumとPolygonのブロックチェーン上で発行され、真の所有権が証明されるNFTカードです。
•マーケットプレイス: プレイヤーはカードをゲーム内外のマーケットで自由に取引でき、NFTカードはOpenSeaなどのプラットフォームでも取引可能です。
•プレイ・トゥ・アーン (P2E): PvPバトルやトーナメントを通じて報酬を得ることができ、稼ぐことを目的としたプレイスタイルが可能です。
•コミュニティイベント: トーナメント主催者やコミュニティへの貢献者に対して、報酬が与えられる仕組みがあります。

◾️基本情報
ゲームタイトル: CryptoSpells(クリプトスペルズ)
ジャンル: デジタルトレーディングカードゲーム(TCG)、NFT、Play-to-Earn (P2E)
対応機種: ブラウザ、モバイル(iOS/Android)
価格: 基本プレイ無料
開発状況: 2019年6月リリース済
P2E: PvPバトルやイベントを通じた報酬の獲得が可能
ブロックチェーン: Ethereum、Polygon、TCG Verse(Oasys L2)
トークン: TCGC、SPL
NFT: レア度の異なるトレーディングカードNFT、OpenSeaなどで取引可能
プロバイダー/開発者: CryptoGames Inc.
ホワイトペーパーURL: CryptoSpells公式サイト

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