クラリティ法案(CLARITY Act)、上院採決は7月20日週へ持ち越し——新テキスト遅延で2026年成立確率31%まで低下、GameFi・DeFiに規制リスク再燃

クラリティ法案(CLARITY Act)、上院採決は7月20日週へ持ち越し——新テキスト遅延で2026年成立確率31%まで低下、GameFi・DeFiに規制リスク再燃

米クラリティ法案の新テキスト公開が遅れ、8月休会前の上院本会議採決タイムラインが事実上消滅。予測市場での2026年成立確率は31%まで低下した。GameFi・DeFi領域への規制影響を整理する。

米国の暗号資産市場構造法案「CLARITY Act(Digital Asset Market Clarity Act)」の上院版テキスト公開が遅延し、8月夏季休会前の本会議採決タイムラインが事実上消滅しつつある。予測市場における2026年内成立確率は31%まで低下したと報じられており、GameFiやDeFi領域に対する規制の不確実性が再び高まっている。

クラリティ法案(CLARITY Act)とは何か——SECとCFTCの管轄を切り分ける市場構造法案

CLARITY Act(Digital Asset Market Clarity Act)は、デジタル資産をどの規制当局が監督するかを明確化するために設計された米国の連邦法案だ。証券性の判定を担う米証券取引委員会(SEC)と、コモディティ市場を管轄する商品先物取引委員会(CFTC)の間で、トークンごとの分類基準と管轄範囲を切り分ける狙いを持つ。

法案は2026年に下院を通過し、上院での審議段階に入っていた。業界関係者は、暗号資産の法的位置づけが明確になれば、米国内での取引所運営、トークン発行、DeFiプロトコルの提供に関する法的リスクが大きく減ると期待していた。

CoinDeskの報道によれば、上院版のテキストは7月中旬にも公開される見通しとされていたが、実際にはドラフト調整が長引き、公開が後ろ倒しになっている。

7月20日週へ持ち越し、8月休会前の採決は困難に

The Coin Republicによれば、上院での本会議採決は当初、8月の夏季休会前を目標に据えられていた。ところが、新テキストの公開が7月20日週へずれ込む見通しとなったことで、委員会審議・修正案の提出・本会議討議までの十分な時間を確保することが難しくなっている。

米議会の慣例として、8月の休会期間中は実質的な立法作業が停止する。そのため、休会前の採決が見送られれば、成立時期は秋以降、場合によっては年をまたぐ可能性も出てきている。

予測市場では、CLARITY Actが2026年内に成立する確率が31%まで低下したと報じられている。数週間前まで50%前後で推移していた水準からの急落であり、市場参加者の期待値が明確に後退していることを示している。

GameFiへの影響——ゲーム内トークンの分類がグレーゾーンのまま

GameFi領域にとって、CLARITY Actの成立遅延は無視できない影響を持つ。ブロックチェーンゲーム内で発行されるガバナンストークンやユーティリティトークンが、SECの言う「証券」に該当するのか、それともCFTC管轄のコモディティに分類されるのか——判断基準が明文化されないままの状態が続くことになる。

米国拠点のスタジオや、米ユーザーを対象にトークン配布を行うプロジェクトは、SECからのエンフォースメント(法執行)リスクを織り込んだ設計を強いられる。特に、Play-to-Earn型のトークン報酬設計や、NFTと連動した金融的リターンを提供するタイトルは、証券性の判定を受けやすい構造にある。

法案が成立していれば、こうしたプロジェクトは明確なガイドラインの下でトークン設計を行えたはずだ。遅延によって、米国市場向けのトークン展開を保留する動きが継続する可能性が高い。

DeFiへの規制リスク——プロトコル運営者の責任範囲が定まらない

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DeFi領域では、プロトコル運営者の法的責任範囲や、フロントエンド提供者の位置づけがCLARITY Actによって整理される見込みだった。分散型取引所(DEX)、レンディングプロトコル、ステーキングサービスなどが、既存の証券法・商品先物取引法のどちらの枠組みで扱われるのかが明確化されるはずだった。

遅延が長引けば、SECによる個別プロトコルへの提訴や、ステーブルコイン発行体への規制強化といった、法執行ベースの対応が先行する状況が続く。米国拠点のDeFiチームが海外への移転を検討する動きも、再び強まる可能性がある。

一方で、法案の内容そのものが業界寄りに調整されている面もあり、遅延が「より良い最終テキスト」につながる可能性も指摘されている。上院での修正協議の過程で、DeFiに対する例外規定や、開発者責任の限定条項がどこまで盛り込まれるかが焦点だ。

アーリーアダプターが押さえるべきタイムライン

現時点で押さえておきたいポイントは3つある。第一に、上院版テキストの正式公開が7月20日週以降にずれ込む見通しであること。第二に、8月休会前の本会議採決は事実上困難となっており、成立時期は秋以降にずれ込む可能性が高いこと。第三に、予測市場では2026年内成立確率が31%まで低下しており、市場は法案成立に対して慎重な見方に転じていること。

GameFiやDeFiプロジェクトに参加するユーザーとしては、米国規制の不透明感が続くことを前提に、トークン保有戦略や参加プロジェクトの選定を行う必要がある。

まとめ

CLARITY Actの遅延は、米国が暗号資産の制度設計で再び足踏みしている姿を映し出している。GameFi・DeFiのアーリーアダプターにとって、法案成立の遅れは米国市場へのアクセスコストが下がらない状況の継続を意味する。一方で、遅延の間に修正協議が丁寧に進めば、より業界の実態に即した最終テキストになる余地も残されている。年後半の上院動向を注視したい。

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