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NFTゲーム、2026年は「所有・取引・報酬」を実装段階へ P&Eと相互運用が軸になる

NFTゲーム、2026年は「所有・取引・報酬」を実装段階へ P&Eと相互運用が軸になる

NFTゲームが2026年に迎える主要トレンドを整理する。ブロックチェーン資産による真正な所有、Play-and-Earnへの移行、クロスゲーム相互運用、動的NFT、メタバース連携、DAO運営、クロスチェーン取引、AI活用を俯瞰し、持続可能なトークノミクス設計の要点もまとめる。

BR Softech(本社:インド、以下、BR Softech)が、2026年のNFTゲーム市場における所有・取引・報酬の設計トレンドを整理し、真正なデジタル所有、Play-and-Earn、クロスゲーム相互運用、動的NFT、メタバース連携、DAOガバナンス、クロスチェーン取引、AI活用が中核になるとの見解を示した。

2026年のNFTゲームが目指す方向性

NFTゲームは投機色が強い時期を経て、2026年には持続可能なゲーム内経済と実用性を重視する局面へ移行している。プレイヤーがアイテム、土地、コレクティブル、アバターなどを保有し、取引し、報酬を得る仕組みをゲーム体験に組み込む設計が中心テーマになる。ブロックチェーン上で資産の所有記録を検証可能にする点が、従来型ゲームのアカウント依存モデルと異なる。

市場の将来像として、NFTゲーム市場が2030年に向けて拡大する見通しが示されている。開発者と投資家にとっては、短期的なトークン上昇を狙う設計より、継続的に遊ばれるプロダクトと経済圏を前提にした企画が重要になると整理されている。

真正なデジタル所有が前提になる

NFTゲームの中核は、ゲーム内資産をブロックチェーン資産として扱う真正な所有にある。ゲームサーバー終了時に資産が消失する従来の前提と異なり、NFTはオンチェーンに残り、保有者が移転や売買を実行できる点が特徴になる。
資産価値の捉え方も変化しており、単一タイトルの内部価値に閉じない設計が求められる。希少武器を別の仮想空間で表示したり、外部マーケットで取引したりする導線が整うほど、所有の実感が強まり、継続利用の動機が生まれやすい構造になる。二次流通ロイヤルティを収益源として組み込みやすい点も、開発側の設計余地として挙げられている。

Play-to-EarnからPlay-and-Earnへ

収益機会を前面に出すPlay-to-Earn(P2E)は、初期には「遊んで稼ぐ」を可視化した一方、娯楽性より報酬獲得が優先され、トークン供給過多やインフレで経済が崩れる事例も目立った。2026年はPlay-and-Earn(P&E)への転換が主要トレンドと位置付けられている。
P&Eは、面白さを先に成立させたうえで、報酬を自然に統合する考え方だ。参加だけで報酬が積み上がる設計より、スキル、戦略、創造的貢献に応じてリワードを配分するモデルが中心になっている。Axie Infinity、Illuvium、Gods Unchainedなどが、ゲーム性と報酬設計のバランスを取る方向性の例として言及されている。

クロスゲーム相互運用が資産設計を変える

NFTゲームが拡大するほど、資産の相互運用性が価値の基盤になる。アバター、車両、武器などが複数タイトルやVR空間で利用できれば、プレイヤーは同一のアイデンティティを持ち運べる。資産価値が単一のゲーム寿命に依存しにくくなる点が強みになる。
技術面では、ERC-721やERC-1155といった標準が相互運用の共通土台として扱われる。開発支援として、EnjinがUnityやUnreal向けにSDKを整備する動きも触れられており、制作現場での実装難易度を下げる方向が示されている。NFTマーケット連携が進むほど、複数タイトルに跨る取引が前提の設計へ寄る。

動的NFTが「成長する資産」を作る

静的なコレクションに留まらず、プレイ結果で属性が変化する動的NFT(dNFT)が注目されている。勝利回数でレベルが上がる武器、育成で外見が変化するペット、競技成績で性能が変わる車両など、プレイヤーの履歴が資産に刻まれる形だ。
AI要素を組み合わせる設計も増えており、生成的表現や自律的エージェントを取り込む事例が言及されている。スマートコントラクトで属性更新条件を定義し、ゲーム内イベントや外部データと連動させると、単なる保有ではなく育成の動機が強まる構造になる。

メタバース連携が「遊ぶ場」と「稼ぐ場」をつなぐ

NFTゲームとメタバースの結合は、所有・商取引・身元の証明を一体で扱う方向へ進む。The SandboxやDecentralandは、土地の購入、体験の制作、コンテンツ提供で報酬を得る構造の例として挙げられている。
企業の取り組みも示唆されており、ブランドやクリエイターが仮想空間でイベントや商品展開を行い、ゲーム体験と商流を接続する動きが語られている。プレイヤーがユーザー生成コンテンツで収益機会を得る設計は、ゲーム外の活動をゲーム内経済へ取り込む役割を担う。

DAOガバナンスがコミュニティ主導を強める

DAOは、プレイヤーを消費者から意思決定者へ近づける仕組みとして扱われる。ガバナンストークンを通じて、アップデート方針、季節イベント、経済政策、報酬配分、パートナー施策などに投票できる設計が増える見通しだ。
透明性と参加感が高まれば、継続率やコミュニティの自走に寄与しやすい。運営側にとっても、反発を招きやすい経済変更や仕様変更を合意形成の枠組みで進めやすくなる利点がある。

流動性とクロスチェーン取引が当たり前になる

NFTマーケットの進化では、即時性、手数料、マルチチェーン対応が重要要件に挙げられている。Ethereum、Polygon、Solana、BNB Chainなどの利用を前提に、ブリッジや多チェーン対応のマーケット統合が進む方向だ。レイヤー2やスケーリングにより手数料を抑え、取引体験を一般的なゲーム内売買に近づける狙いがある。
Magic Edenは、Solana中心のプラットフォームからマルチチェーン市場へ拡張する動きが触れられており、ゲーム・エンタメ領域の資産取引の集積点になり得るという整理だ。流動性が高いほど価格形成が安定し、資産の売買がゲーム参加の障壁になりにくい。

AIによるパーソナライズとスマートNFT

AI統合は、プレイヤーごとに異なる体験を作る手段として紹介されている。戦闘傾向に適応するAIコンパニオン、成績に合わせて生成されるクエスト、コミュニティ行動で変化する環境、所有者ごとに派生する生成アートなどが例だ。
NFT側も、所有権の証明だけでなく、振る舞いを変える資産として扱われる。オンチェーンの由来とAIの適応性が組み合わさると、保有者の体験が資産価値と連動しやすくなる。保持したくなる理由をゲーム性と結び付ける点が、2026年の競争要因になる。

2026年の指標として語られた市場データ

記事では、市場規模、ユーザー数、取引回復などの統計が列挙され、NFTゲームが成熟段階に入ったとの論旨が組み立てられている。ゲームNFTがNFT取引量で大きな比率を占める点、北米が収益面で大きい一方、アジア太平洋地域の伸びが速い点など、地域特性にも触れられている。
取引額が回復基調にあるという説明も盛り込まれており、短期の熱狂ではなく、実用性とゲーム品質が評価軸として前に出る状況が強調されている。

持続可能な経済圏を作る要点

設計論としては、バランス型トークノミクス、スキルベース報酬、複数収益源、コミュニティ運営が柱になる。
バランス型トークノミクスでは、ガバナンス用途とユーティリティ用途を分けるデュアルトークン設計が例示されている。発行量の制御が弱いとインフレが起きやすく、報酬価値が毀損するためだ。
スキルベース報酬は、単純な周回や参加報酬より、対戦成績や戦略性に応じた配分で経済の耐久性を高める方向になる。Gods Unchainedが、競技性に依存した報酬設計の例として紹介されている。
複数収益源では、仮想不動産、レンタル、UGCなどが挙げられている。The Sandboxは、土地や体験制作を組み合わせ、単一トークン依存を避ける考え方の参照例として言及されている。
コミュニティ運営では、Discordなどでの継続的な対話、アップデート頻度、イベント設計が、リテンションと経済の安定に直結するとの整理だ。

まとめ

2026年のNFTゲームは、真正な所有、相互運用、P&E、動的NFT、メタバース、DAO、クロスチェーン市場、AIパーソナライズが連動し、ゲーム体験と資産価値を同じ設計図に載せる段階へ進んでいる。稼ぐ導線を前面に出すだけの企画は持続しにくく、遊びとして成立する設計と経済の規律が両輪になる。
BR Softechは、ブロックチェーン統合、スマートコントラクト、トークノミクス設計などの観点から、参入企業が持続可能なNFTゲームを構築する重要性を訴えたとのことだ。

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