2026年版ブロックチェーンゲーム企業ランキングから読み取れる業界動向を分析。地理的分布、事業転換、デジェンゲーム志向、フルオンチェーン、AI導入など、2025年の課題と各社の戦略を読み解く。
Blockchain Game Companies for 2026のランキングにおいて、掲載された50社の順位そのものも注目に値するが、業界全体の動向を俯瞰することで、より重要な潮流が浮かび上がった。
2026年版ブロックチェーンゲーム企業ランキングにおいて、地理的分布では米国が全体の44%を占め、依然として主導的な位置を維持している。残りの28社については特定の国に集中することなく広く分布しているが、韓国には一定の集積が見られた。ランキングの1位と2位に位置付けられたNexpaceとWemadeは、いずれも韓国を本拠とする企業である。なお、Nexpaceは法的にはアブダビに本社を構えているが、実態としては親会社であるNexonが所在する韓国に開発拠点を置き、主要な人員の大半も同地に拠点を構えているとのことだ。
ランキング上位50社のうち、2025年中に事業方針を変更した企業は30%に上る。これは、ブロックチェーンゲーム業界全体における資金調達の困難さと収益確保への圧力の高まりを反映している。
多くのプロジェクトが、ゲーム内報酬において「デジェン(degen)」的な特徴を取り入れ始めており、実際に50社のうち33%がデジェンゲームとしての性格を前面に打ち出している。代表例としては、リスク・トゥ・アーン型のMMOG「Cambria」や、YGGが展開するカジュアルなデジェンゲーム「LOL Land」が挙げられる。
こうした「非対称なリスクと報酬」を志向するゲームデザインは、ハイリスク・ハイリターンを好む暗号資産投資家(いわゆるクジラ層)に対する訴求力を持ち、短期的な収益性向上の手段とされている。
関連する2つのトレンドとして、ゲームの「フルオンチェーン化」と「エコシステムとしての機能拡張」が挙げられる。ゲームを第三者開発者に開放し、オープンな経済圏を築くためには、基盤となるコードベースやロジックがオンチェーンかつオープンソースである必要があるとされている。
ただし、すべてのフルオンチェーンゲームが必ずしもエコシステム構築を志向しているわけではない。エコシステム形成には、開発者支援体制やコミュニティからの一定の資金提供などが必要とされるためだ。
最後に注目すべきトレンドは、AIエージェントの導入である。全体の39%がAIエージェントについて何らかの形で言及しており、とくにフルオンチェーン化や事業ピボットを経験したプロジェクトにおいて導入が進んでいる傾向が見られる。
AI技術の進化により、将来的にはより多くのブロックチェーンゲームにおいて、NPCや自律的プレイを担うAIエージェントの実装が進むものと予想される。これにより、プレイヤー体験の深化や新たな経済活動の創出が期待されている。
総じて、2025年はブロックチェーンゲーム業界にとって試練の年であったと言える。外部資金の枯渇、ユーザー基盤の再構築、技術面での進化が同時に求められた中で、一部の企業は大胆な方向転換を行い、他の企業は従来のビジョンを着実に進める道を選んだ。
2026年は、こうした柔軟性と持続性を兼ね備えた企業が次のフェーズへ進む鍵を握る年となる可能性が高い。価値ネットワークとプレイヤーオーナー型経済の新たな形が模索される中で、業界の進化は今後も続くものと見られている。
YGG(Yield Guild Games):https://yieldguild.io/
Nexon:https://company.nexon.com/
Wemade:https://www.wemade.com/
Cambria(プロジェクト情報):https://cambria.gg/
LOL Land(YGG関連):https://lol.yieldguild.io/