2025年のスタジオ閉鎖とトークン暴落を受け、2026年のWeb3ゲームは小規模開発、ステーブルコイン決済、ゲーム以外へのゲーミフィケーション拡大が進む見通しだ。AAA志向の後退、ゲームトークンの限定的役割、摩擦の少ないオンボーディングが焦点になる。
Blockmanityが掲載した予測記事「Web3 Gaming Predictions for 2026」は、2025年に相次いだスタジオ閉鎖とゲームトークンの失速を踏まえ、2026年のWeb3ゲームがステーブルコイン統合、小規模チーム中心の開発、アプリ領域まで広がるゲーミフィケーションを軸に再構築へ向かうとの見方を示した。
Web3ゲーム市場は2026年を「身の丈に合わせる年」として迎える見通しだ。2024年までの熱狂に比べ、2025年はトークン投機に依存した設計が限界を露呈した年と位置付けられている。Blockmanityの予測では、2025年に多数のゲームトークンが初期価格を維持できず、資金調達の導線として機能しにくくなったと整理する。資金調達が滞れば開発継続が難しくなり、スタジオ閉鎖が連鎖したとの整理だ。
予測記事は、収縮局面が2026年も続く可能性を指摘する。高精細グラフィックス、クロスプラットフォーム対応、ブロックチェーン連携の実装コストが上がりやすい一方、ベンチャー投資が潤沢ではない前提が置かれている。プレイヤーベースが薄い企画や、収益がトークン販売に偏る企画は、運転資金の枯渇により撤退が進むとみられる。
一方で淘汰は「質への収束」を促すとも記される。生き残るチームは予算を絞り、継続率やDAUといった指標を先に示す構えになりやすい。課金やサブスクリプションのような代替収益を用意し、トークンの一発勝負を避ける動きが強まる見立てだ。
2026年は「数を打つ」より「選別された少数」の時代になるという。数百本規模の乱立から、見込みのある数十本へ絞られる流れが語られている。巨大メタバース型の誇張されたロードマップは支持を得にくくなり、まず遊べる最小実装で市場適合を確かめる方針が前面に出る見通しだ。
指標の置き方も変化するとみられる。トークンの初速より日次の利用と継続が重視され、短期の売買益を狙う設計は後景に退く。プレイヤー体験を基準に開発優先度が決まる構図が濃くなるとのことだ。
トークン生成イベント(TGE)の失敗が続いた結果、ゲーム内経済の組み方は改めて問われている。予測記事が強調するのは、ネイティブトークンの価格変動リスクを避け、USDCやUSDTなどのステーブルコインを決済に用いる流れだ。価格が安定しやすい資産で課金を受け取れば、ローンチ直後の投げ売りで収益が毀損する構造を回避しやすい。
ステーブルコイン中心の設計は、早期から収益化しやすい利点がある。スキン、拡張コンテンツ、ブースト要素を「価値が一定に近い通貨」で販売でき、開発側の予算管理もしやすくなる。ネイティブトークンはプロダクトマーケットフィットが見えた後に段階的に導入し、投機ではなく機能で支える順序へ変わるとの整理だ。
記事内では、ソニーがPlayStationのエコシステムでステーブルコインを視野に入れている可能性にも触れている。大手が関心を示す構図は示唆的だが、普及には障壁も残るとされる。規制面の確認、非暗号資産ユーザーにとってのウォレット摩擦、オンチェーン運用のセキュリティ対策が課題として挙げられている。予測としては、上位Web3タイトルにおけるステーブルコイン取引が2026年に2〜3倍へ伸びる見立ても置かれている。
「AAA級Web3ゲーム」への期待は弱まったという評価が示される。大規模開発は制作費が膨らみやすく、完成までの期間も長い。主流のWeb2市場にはFortniteやGTA Onlineのような強力な競合が存在し、ブロックチェーン要素が先に立つと反発が起きやすい現実が語られている。資金を投じても未完成のまま終わる案件が増えれば、投資家の信頼が毀損する構図も避けにくい。
対照的に、2026年はインディーの存在感が増すという。小規模チームはフィードバックを受けて方向転換しやすく、固定費も抑えられる。数千万ドル級のプロジェクトに比べ、50万ドル規模でも成立する前提が置かれ、ニッチな遊びに集中できる点が利点として挙げられている。ジャンルとしてはローグライク、オートバトラー、ソーシャルシムなどが想定され、所有や移転可能性を付加しつつゲーム体験を中心に据える設計が相性が良いとされる。予測では、アクティブなWeb3プレイヤーの70%をインディーが占める可能性も提示されている。
アプリトークン(利用に紐づくインセンティブ)について、記事は過度な期待を戒める。投機志向の強い暗号資産ネイティブ層には響きにくく、初期の反応は限定的だったという整理が置かれている。一方でカジュアル層にとっては、ログインや達成報酬が実用的価値に結び付けば受け入れ余地がある。限定アイテムの解放など、遊びの動機づけとして使われる場面は増える可能性があるものの、2026年の主要潮流を定義する存在にはなりにくいとの見方だ。
Web3ゲームの境界は広がるという。予測記事は、DeFi、DAO、予測市場などのアプリに進行度、ランキング、報酬ループを組み込み、ゲーム的体験として再設計する流れを強調する。取引と対戦を組み合わせたハイブリッド体験、チェーンやエコシステム自体を遊び場化する設計が想定される。SolanaやImmutableのような基盤が、ゲームとアプリの交差点として機能する可能性も言及されている。
ゲーミフィケーションが進めば、非ゲーマー層も参加しやすくなるという筋立てだ。ウォレットやSNSフィードに馴染みのあるメカニクスが入れば、Web2ユーザーの取り込みが進むとの予測になる。結果としてWeb3ゲームの裾野が拡大し、観測されるユーザー規模が倍増するシナリオも描かれている。
予測記事がまとめるキーワードは、持続性、ステーブルコイン支配、インディー優勢、ゲーミフィケーション拡大、洗練されたUXだ。トークンの熱量に頼る戦略は減り、収益の確度と運用の安定が優先される。オンボーディングの摩擦を下げ、暗号資産を意識しなくても遊べる設計が標準になる方向が示されている。
結論として、2026年のWeb3ゲームは投機色を薄め、継続的な価値提供に寄せる段階へ入るという見方になる。資金の流れが細る局面は苦しいが、残る企画が遊びとしての完成度を高めれば、市場の信頼は回復しやすい。開発者は楽しさと公平性、運用の基礎を積み上げる姿勢が問われる局面になる。
Blockmanity:https://blockmanity.com/
X(@Blockmanity):https://twitter.com/Blockmanity