先日、米国の大手取引所Coinbase社が立ち上げたCoinbase Custodyに、保管対象通貨としてXRPが正式に加わったことを発表しました。
Coinbaseは5月15日にカストディサービスを開始することを発表し、現在イーサリアム、ライトコイン、イーサリアムクラシック、BAT、0x、そして新たに加わったXRPを含め8つの通貨に対応しています。
ここで出てくるワード「カストディ」。
あまり聞きなれない用語だと思うので、カストディについて解説したいと思います。
仮想通貨の取引所は証券会社に近いサービスを提供していますが、株などを取引する際、証券会社から「株が盗まれた」と言うニュースは聞きません。
しかし、仮想通貨に関しては取引所から「仮想通貨が盗まれた」と言うニュースは聞きます。
個人投資家は、仮想通貨を管理するのにウォレットを用います。
そしてそのウォレットには、取引所のウォレットからハードウェアウォレットなどさまざまな種類があり、私たちはその中からウォレットを選び仮想通貨を管理します。
取引所は利用者から多くの資金を預かり、その資産を管理しています。
しかし、多くの資金を預けることでハッカーから狙われる確率が高くなります。
証券会社では入出金の管理、配当の管理、株式証券の保管など行っていますが、実際取引を行う場所は、証券取引所、関東で言えば東京証券取引所です。
東京証券取引所は投資家からの資金は一切受け付けや管理は行わず、各証券会社から出された買い注文、売り注文をマッチングする市場専用の機関です。
仮想通貨の取引所は証券会社の役目と証券取引所の役目を請け負うと共に、ハードフォークやエアドロップの対応をしたりと、全ての金融機能が一つの機関に集約しすぎています。
このような事も含め仮想通貨取引所は、取引機能や売買機能、広告費などに経営資材を集中し、もっとも重視しなければいけない資産管理に対し後手になっています。
結果、仮想通貨の取引所はハッキングの被害を受け、顧客が預ける多くの資産をハッカーに狙われるという事態が発生しています。
このような背景の中、今後、仮想通貨の発展のためにもカストディ業務の強化が必須項目だと言われています。
カストディ(Custody)とは「保管」という意味を指し、資産となる仮想通貨を預かり、保管や管理を行う業務のことを意味します。
そして、保管業者のことをカストディアン(Custodian)と言います。
セキュリティ管理は勿論、配当や運用成績の管理などさまざまな管理業務も行います。
証券業界だと有価証券の保管を行う会社が多く存在し、モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス、HSBCなど大手金融基幹が保管サービスを提供しています。
Coinbase Custody(https://custody.coinbase.com/)は、米国にある仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)が立ち上げたカストディサービスで、機関向けのカストディサービスを展開しています。
Coinbaseはニューヨーク証券取引所を配下に持つインターコンチネンタルエクスチェンジ社や、日本ではMUFJ三菱UFJフィナンシャル・グループも出資しているなど仮想通貨取引所の中でも信頼性が非常に高い取引所です。
最近Coinbaseの取引所に上場したBATと0xも加え現在のカストディ対応通貨は、ビットコイン、ビットコインキャッシュ、イーサリアム、ライトコイン、イーサリアムクラシック、BAT、0x、そしてXRPと8つの仮想通貨を対象としています。
当初の報告では取り扱い通貨を39種予定としていたので、今後対応通貨は増えていくと考えられます。
ウィンクル・ボス兄弟が運営する取引所Gemeni(https://gemini.com/#)はデジタル資産の管理サービスを提供するライセンス付き取引所です。
10月12日にはライトコイン(LTC)のサポートを開始することを発表。
13日よりLTCの入金が可能となり、16日より取引が開始されました。
Gemeniでは個人・法人のデジタル資産を独自のコールド管理システムで保管します。
komainuは、国内の企業である野村ホールディングス株式会社、ハードウォレットで有名なレッジャー社、投資顧問会社グローバル・アドバイザーズ ・ホールディングス・リミテッドがカストディ・サービスに向けて設立した研究所です。
機関投資家にカストディ・サービスを提供するための研究を行っています。