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スマートコントラクトに重要なシステム、 オクラル(Oracle)とは

スマートコントラクトに重要なシステム、 オクラル(Oracle)とは
更新日

ブロックチェーンは記録を保管することはできますが、自ら外部の情報を持ってくる機能はありません。

オラクルはブロックチェーンに情報をもたらすシステムとして重要な役割を果たしています。

スマートコントラクトを活用したブロックチェーン技術は、今後多くの分野で使われることが考えられます。

ブロックチェーンが用いられるようになると、その産業における固有のデータをブロックチェーン内部に取り入れ、スマートコントラクトはその情報を元にプログラムを実行するので、信頼できる正しい情報を必要とします。

例えば

今年の12月31日になったらビットコインで支払いをする

というスマートコントラクト(契約)があったとします。

これを実行するためには、「2018年12月31日を迎えた」という事実を外部から取り入れなければいけません。

この事実(2018年12月31日を迎えた)は、ブロックチェーンネットワークには存在していないので、外部から得る必要があります。

そしてスマートコントラクトは、その事実を確認して実行されます。


オラクルとは外部に存在するデータを内部に引っ張ってきてくるシステムを指します。

つまりはブロックチェーンと世の中の情報を繋ぐシステムです。

ブロックチェーンは記録を保管することはできますが、自ら外部の情報を持ってくる機能はありません。

オラクルはブロックチェーンに情報をもたらすシステムとして重要な役割を果たしています。

オラクルの種類

外部情報を取り入れるシステム「オラクル」には、集中型オラクルと分散型オラクルの2種類に分けられます。

集中型オラクル

集中型オラクルはある1つの管理主体によって運営されています。

この管理主体はブロックチェーン外の情報を効率的に集めることができ、管理主体は不正やハッキングなどの被害は当然さけるため、責任を持って外部データと情報自体を管理します。

現在ほとんどのオラクルは集中型オラクルとして動いています。

ただし、集中型オラクルは管理主体若しくはシステムを「信頼」しなければいけません。

そのオラクルが絶対に正しい情報で、絶対に不具合を起こさない、と信頼しなければならないので、仮にトラブルが発生すると正しく機能することができません。

このことからオラクルのシステムを分散化する開発が行われています。

分散型オラクル

分散型オラクルは参加者全員で分散して管理されているオラクルです。

集中型オラクルとは違い管理主体が1つではないため、外部からハッキングされても情報が改ざんされるリスクはほとんどありません。

この考えは、パブリックチェーンと似てますね。

改ざんすることが困難で参加者全員で管理する分散型オラクルは、一見安全なように思えますが、オラクルの情報を正当化させるインセンティブ設計が難しいと言われています。

例えばパブリックで管理されているビットコインは、取引が行われたときに、その取引記録を正しく計算すると報酬が貰えるとういうインセンティブがあるため、情報の正当性が成り立っています。


しかし、分散型オラクルは取引をするわけではないので、インセンティブをあたえることができません。

また、現状だと外部情報が本当に正しいか、合意形成をするのに時間がかかってしまいます。

このようなことから実際に今利用されているオラクルのほとんどは集中型オラクルとなっています。

オラクルの実例

Oraclize

Oraclizehttp://www.oraclize.it/)は、オラクルの代表的なプロジェクトです。

スマートコントラクトの中に組み込まれるシステムの一つで、イーサリアムなどのブロックチェーンを使用したDapps(分散型アプリケーション)に、さまざまな情報を提供しています。

複数のアルゴリズムとTLSNotary証明と呼ばれるシステムを組み合わせることで、信頼性を検証しブロックチェーン上に取り込むことができます。

Gnosis

2017年に公開されたGnosishttps://gnosis.pm/)は、イーサリアムブロックチェーン、スマートコントラクトオラクルなどを活用した分散型予測市場のプラットフォームを目指しているプロジェクトです。

分散型予測市場のプラットフォームとしてAugurが有名ですが、Augurでは多数決で事実認定をするのに多数決で行われるため、事実認定に時間がかかるというデメリットがあります。
(Augurは分散型のオラクル及び予測市場プラットフォームです)

Gnosisは、オラクルの設定を自由に設定でき、信頼できる情報元にオラクルを設定すば、報酬スピードのデメリットをなくすことができます。

さいごに

ブロックチェーン技術は、今まで主に仮想通貨に活用されてきましたが、オラクルの導入により​さまざまなビジネスに応用することができるようになりました。

オラクルは、外部に存在するデータを内部に引っ張ってきてくれるシステムを指します。

現在は集中型がメインで動いていますが、今後、分散型のオラクルがどのような広がりを見せるのかも気になるところです。

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著者について

ぼ~ぬん

2006年、カルト・ブルーを取得にて フランス・ブルゴーニュのbeauneに1年間勤務。 2016年6月、仮想通貨トレードに参入。 2018年より投資枠を拡大。資産運用中。

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