株式会社ビットファクトリーの代表取締役に就任した深井未来生氏に設立してからとこれからについて伺いました。
深井氏 : 深井です。今は株式会社モバイルファクトリーのCFOです。管理部門の責任者として事業以外の数値を見ていますが、3月末の株主総会以降は、株式会社ビットファクトリーの代表取締役に就任します。
今後はモバイルファクトリーグループの手掛けるブロックチェーン事業の責任者としてフルコミットします。
浜田 : 設立後に想定していなかった驚きや意外だった点はありますか?
深井氏 : 日々新しい発見があって驚きもその中にありますが、1年前にモバイルファクトリーとしてブロックチェーン事業をやると発表してから、予想以上にブロックチェーン業界が一枚岩ではなかったことがわかりました。
ブロックチェーンをやっている会社の中でも各社やっている事がばらばらで、dappsの中でもばらばら。
レイヤー低いところから高いところまでいろんな会社がある。
なので、しっかりポジション取りをしないと、ブロックチェーンだからと言って色んな所に手を出しすぎると戦略としてよくない、と言う事が、この一年でわかりました。
ある程度、何を目指していくかを明確にしつつしっかり足場を固めたい。
驚きでいうと、ビットファクトリーの事業目的の中で、「仮想通貨取引所」があるんですが、これがあるおかげで各所からつっこみがある。
「本当にやるんですか?」とか。
仮想通貨業界への厳しい目があるので、そういう目で見られるんだなと。
なので「仮想通貨交換業は目指していません」とはっきり言わないと誤解される可能性がある。
浜田 : どういったポジションを目指していく予定ですか?
深井氏 : 例えばブロックチェーンの未来として、物流や医療、社会のいろんな領域にブロックチェーンの技術がハマると、良いことになると語られたりしますが、そこではなく、
我々が目指しているのはあくまでも「インターネットが今よりも面白くなっていくだろう」と言う領域です。
あまり他の領域に発信しないですし、どちらかと言うと、今よりインターネットが面白く進化する未来において中心にいる事を考えています。
浜田 : どんな風におもしろくなっていくと思いますか?
深井氏 : ゲームだと端的にわかりやすい事例になりますが、デジタルアセットに所有権が持たせられて、自分の物にできるというのは、今までのインターネットではできなかった、ブロックチェーン技術の一つではないかと思っている。
アイテムの売買じゃなくても、改ざんされないログを生かして、デジタルアセットに唯一無二の所有権をもたせる、と言う意味ではインターネットの進化系を語る上では一つのキーワードなんじゃないかと思います。
浜田 : どのくらい先にどのくらいの価値が出てくると思います?
深井氏 : 2年から5年。
今はまだコア層、アーリー層にだけ届いていて、「将来来る」と思っているアンテナの高い人がdAppsに手を出している状況ですが、一般的な方々に2年から5年で浸透していくとしたとき、インターネットが普通に今みんなが浸透しているように、「今出来ないことが以前より面白くなっているね」くらいに、dAppsやブロックチェーンを意識しなくても使えるようになっているといいなと思います。
そのときに、ゴールドラッシュのつるはしではありませんが、当たり前のように私達のツールを使うようになる。
AWSや、LinuxにおけるRedHatとか、Linux自体はタダだけど、RedHatのツールを使ってやっているみたいな、そういったポジションは十分狙える。
RedHatも3.5兆円くらい時価総額がありますが、当たり前に使われるものはそれだけの価値があるといえます。
浜田 : 設立から半年が経過しましたが、設立時と比べて今は何か変わったことはありますか?
深井氏 : 業界の話で言うと、MyCryptoHeroesが道を作ってくれたことあって、一部のアーリーな層から一歩進んだ段階になっていて、「なんとなくブロックチェーンゲームが来ているらしい」くらいのトレンドになっている。
とはいえ、まだまだDAUで数千とかのレベルで、それだけで収益を永続的にするのは難しい段階ではあるので、立ち上がりの時として、半年前からそこまで大きく変わってはないですが。
我々の方の話をすると、一年前から手がけてきて、ちょっとずつサービスを出していく中で、なんとなく、方向性がある程度固まりつつあります。
研究フェーズから具体的なサービス落とし込んでマーケティングして色んな所に出ていくフェーズに差し掛かってきています。
浜田 : マネタイズが見えてきたという事ですか?
深井氏 : まだ具体的には言えないですが、マネタイズを発信していくフェーズだと思っています。
深井氏 : 伝えるのって難しいとつくづく思います。
投資家の方と対話するんですけど、大半の個人投資家にはなかなか伝わりません。
「ブロックチェーンやっているらしい」というのは伝わりますが、そこで結局何やっていくか、どうやって稼ぐか、dAppsとかスマートコントラクトとか難しい言葉だとなかなか伝わらないですし、伝わらないという事は価値も表現できない。
そのあたりがつくづく思う事ですね。
しかし、このままではだめなので、構想として壮大な物があって、ブロックチェーンとかdAppsと言う言葉を使わなくてもいいようにしていることを、もうちょっとアピールしていきたいです。
深井氏 : FinDAppsはGoogleを目指します!
モバイルファクトリーとしては、これまで、日本の老舗インターネット企業だとみられていて、月額課金のコンテンツプロバイダとして見られていました。
そこから先のインフラ寄り、プラットフォームに寄った形は経験したことが無いビジネス領域なので、会社が次のステージにあがるチャンスなのかと思っています。
うまくいけばアップサイドをを目指せますし、そこまでうまくいかなくてもある程度のポイションを目指せるので、現実的な観点から夢を語れる領域なのかなと思っています。
また、ブロックチェーンは海外の市場を意識するビジネスです。
我々のミッションに「世界の人々をハッピーにする」というものがあります。
日本だけでなく世界をみていきたいと思っています。
FinDApps(ファインダップス)では、あなたに今一番オススメのブロックチェーンゲーム、アプリを見つけることができます。DAppsの名前を知らなくても検索することが可能です。仮想通貨を用いたゲームやアプリで新しい体験を提供します。
Uniqys NetworkはスケーラブルなDApps開発キットのUniqys Kitと、使いやすいDAppsモバイルブラウザーのQuragéによって、開発と利用の双方からDAppsをより身近にします。
今回、Uniqys Labを立ち上げ、Uniqys Kitでさらにオープンな仕組みを提供していく事を決めた、株式会社モバイルファクトリーの秦元昭氏(以下、秦氏)と吉田尚平氏(以下、吉田氏)へ編集長の木村がインタビューを行いました。
前回、Uniqys Projectの今後についてを伺いました。
編集長の木村が、Uniqys Kitについて、技術的な部分を中心に話を伺いました。
本記事は少し専門的な内容のインタビュー記事になっています。
先日FinDAppsをリリースした株式会社モバイルファクトリーへお話を伺いました。