本日RoninがEthereum L2へのハードフォークを完了――RONインフレ率20%超から1%未満へ、GameFi基盤が新章へ

本日RoninがEthereum L2へのハードフォークを完了――RONインフレ率20%超から1%未満へ、GameFi基盤が新章へ

Sky Mavisが運営するRoninがEthereumのレイヤー2へ正式移行。RONインフレ率は約20倍削減され、約10時間のダウンタイムを経てAxie InfinityやPixelsなど既存ゲームの基盤が一新された。GameFiにとってのサイドチェーン→L2転換の意味を読み解く。

Sky Mavis(本社:ベトナム、以下、Sky Mavis)が運営するブロックチェーン「Ronin」が、独立サイドチェーンからEthereumのレイヤー2(L2)への移行を5月13日に完了した。OP Stackを採用した今回のハードフォークにより、RONトークンのインフレ率は従来の20%超から1%未満まで圧縮される見通しだ。移行作業には約10時間のダウンタイムが発生したものの、Axie InfinityやPixelsといった主要ゲームの運営は予定通り再開された。

RoninがEthereum L2へ正式移行――OP Stack採用で新たな船出


Sky Mavisが手がけるブロックチェーン「Ronin」が、独立したサイドチェーンからEthereumのレイヤー2へと姿を変えた。基盤技術にはOptimismが開発する「OP Stack」が採用されている。

2022年3月に発生したLazarus Groupによる約6億ドル規模のブリッジハッキング事件から約4年。当時はEthereumとの橋渡しを担うブリッジが攻撃対象となり、GameFi業界全体に衝撃を与えた経緯がある。今回のL2移行は、独自サイドチェーンに依存する構造を見直し、Ethereumのセキュリティを直接借りる方針へと舵を切った形だ。

移行作業は約10時間のダウンタイムを経て完了し、その間はネットワーク上のすべての取引が停止された。Axie InfinityやPixels、Apeiron、Lumiterraといった主要タイトルも一時的にプレイ不能となったが、再開後はスムーズに稼働している。

RONインフレ率20倍削減――トークン経済の構造が一変

年率20%超から1%未満へ


今回の移行で最も注目されるのが、ネイティブトークン「RON」の発行設計が大幅に見直された点だ。

従来のサイドチェーン時代、RONの年間インフレ率は20%を超える水準で推移していた。バリデーター報酬やエコシステム拡大のための発行が積み上がり、長期保有者にとっては希薄化が無視できない負担となっていた。

L2移行後は、Ethereumのセキュリティを利用することでRON発行による経済的負担が大幅に軽減され、インフレ率は1%未満まで圧縮される見込みだ。実に20倍規模の削減である。

ガス代としてのRONの役割は維持

ただしRONはL2上でもガストークンとして機能を維持する。プレイヤーやNFT取引ユーザーは引き続きRONで手数料を支払う仕組みだ。

発行ペースが抑制される一方で、ネットワーク上の経済活動が増えればRONの需給バランスは改善される。GameFi業界における「トークン価値の長期的な持続性」という課題に対し、Roninは構造的な答えを示そうとしている。

RONチャート

Axie・Pixelsなど既存ゲームへの実務的影響

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ダウンタイム中のプレイ停止と再開後の動向


L2移行に伴い、Ronin上で稼働するすべてのDapps・ゲームは約10時間にわたって停止状態となった。

Axie Infinityでは対戦やアイテム取引が一時凍結され、PixelsではNFT土地上での活動が休止された。プレイヤー向けには事前にスケジュールが告知されており、大きな混乱は発生していない。

再開後は処理速度の向上が報告されている。L2の特性として、トランザクションのまとめ処理(バッチング)が効率化されることで、ピーク時の手数料高騰や処理遅延が緩和される効果が期待される。

手数料体系と開発者側のメリット


開発者にとっての変化も小さくない。OP StackはEthereum Virtual Machine(EVM)と高い互換性を持つため、既存のSolidityコントラクトをそのまま移植しやすい設計だ。Ethereumエコシステムで開発されたツールやライブラリも流用できるため、開発効率の向上が見込まれる。

手数料の観点では、ユーザー側のガス代は引き続きRONで支払うが、ネットワーク全体としてはEthereumメインネットのデータ可用性レイヤーを使うコストが上乗せされる。とはいえ、ユーザー体験としてはこれまでと大きく変わらない水準が維持される設計だ。

サイドチェーン→L2転換がGameFiに示すもの


Roninの今回の決断は、GameFi業界全体にとっても重要なシグナルとなる。

独立サイドチェーンは独自のバリデーター運営により高速・低コストを実現してきた一方で、セキュリティ確保の負担と中央集権性への批判という二つの課題を抱えてきた。Roninが過去に経験したブリッジハッキングは、その脆弱性を端的に示す事例でもあった。

Ethereum L2への移行により、セキュリティはEthereumメインネットに委ねつつ、GameFi特有の高頻度トランザクションを効率よく処理する構造が手に入る。Polygon、Immutable、Arbitrumなど、GameFiインフラを目指す各プロジェクトとの競争もますます激しくなりそうだ。

「ゲームが動くチェーン」から「Ethereumエコシステムの一部として動くゲーム基盤」へ。Roninの転換は、GameFiが成熟期に入ったことを示す象徴的な動きと言える。

まとめ

RoninのL2移行は、単なるインフラ刷新にとどまらず、GameFiにおけるトークン経済設計の転換点として記憶されるはずだ。インフレ率20倍削減という思い切った設計変更は、長期プレイヤーや投資家にとって安心材料となる。一方で、Ethereumメインネットの混雑や手数料動向の影響を受ける構造にも変わるため、今後の運用がどう最適化されていくか注視したい。GameFiの「持続可能性」が問われる時代の本格的な到来である。

Axie_Infinity Dapps

Axie Infinity(アクシー インフィニティ)

Axie Infinity(アクシー インフィニティ)はブロックチェーン上でAxieというキャラクターを育成していくブロックチェーンゲームです。
アクシーと呼ぶ不思議な生き物を収集、育成してバトルやミニゲーム、クエストなどのコンテンツで構成されています。
ランドの提供を開始しています。
またDeFi(分散型金融)の仕組みをゲームとリンクする(GameFi)などブロックチェーンゲームとして最先端の取り組みにチャレンジしています。

MacOS https://axieinfinity.com/downloads/axie-infinity-macos-latest.zip 
Windows https://axieinfinity.com/downloads/axie-infinity-windows-latest.zip

PIXELS Dapps

PIXELS

◾️ゲーム概要
『PIXELS』(ピクセルズ)は、プレイヤーがバーチャルアートをピクセル単位で生成し、NFTとして市場で売買できるプラットフォームです。また、エネルギー管理やギルドシステムを通じて、他のプレイヤーと協力または競争しながら、土地をカスタマイズし、独自のアートや産業を展開できる農業系ゲームです。

◾️ゲームコンテンツ
プレイヤーは土地を活用してアートを生成し、それをNFTとして登録・売買します。クエストの遂行やスキルの習得がゲーム内で進行し、コミュニティとの連携も促されます。

◾️機能
・アートの生成とNFT化
・土地のカスタマイズと産業化
・リソースの採取とアップグレード
◾️基本情報
・ゲームタイトル: PIXELS
・ジャンル: アート創造 & NFTマーケットプレイス
・対応デバイス: ウェブブラウザ
・価格: 無料(ゲーム内課金あり)
・開発状態: 運営中
・P2E: 可能
・ブロックチェーン: Ronin
・トークン: PIXEL
・NFT: NFT Avatars ,NFT Pets
・提供元/開発者:Banger Inc.

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