先日行われた日経xTECH EXPO2018でブロックチェーンゲームのウォレットバトラーを出展した株式会社Arcの伊藤 裕樹氏にブロックチェーンゲームインフォの浜田がインタビューを行いました。
日経xTECH EXPO2018で感じた課題や、今後の予定、ゲームについて伺いました。
伊藤氏 : ウォレットバトラーを開発中の株式会社Arcで、マーケティングを担当しています伊藤です。
一年半くらい前からブロックチェーンや仮想通貨界隈の市場調査や技術調査等を行っていて、「ビットコインとか勉強会」や「暗号通貨輪読会」といった勉強会コミュニティーの運営スタッフ等もやらせてもらっています。
今回のウォレットバトラーの開発においては、ゲームサイクル等の設計はゲームディレクターが行い、ブロックチェーンやトークンの導入に関しては私も担当しています。
浜田 : ウォレットバトラーについて教えてもらえますか。
伊藤氏: ウォレットバトラーは、「イーサリアムのウォレットアドレスの情報からモンスターを召喚する」といったアクションを軸に、モンスターの育成や合成、スキル編成、デッキ編成、そしてランキングバトルといった、戦略性のあるゲームとなっています。
浜田 : ブロックチェーンを利用しようとしたきっかけは?
伊藤氏: 一年半ほど前から別プロジェクトでブロックチェーンや仮想通貨の調査を行っていたんですが、ゲームへの活用に関してはやはり昨年の12月にクリプトキティーズが話題になったことがキッカケですね。
元々Arcはゲーム開発、企画運営をしている会社なので、既存事業の強み x ブロックチェーン =ブロックチェーンゲームという事でちょっと企画出してみようかと言う流れで動き始めたプロジェクトです。
その企画出しの中で、dAppsの年齢層って20代後半から30代以上が多いのかなと言う話が上がり、「懐かし目の所を行ってみようか」という話から、その中で「こんなゲーム、あんなゲームがあったよね」という流れで、「某バトラー」が出てきました。
そこから膨らませて産まれたのがウォレットバトラーです。
浜田 : ウォレットのアドレスを入力する際に制限はあるんですか?
伊藤氏: 基本的には自分の所有しているウォレットアドレス以外でもモンスターを召喚できるようにする予定ですが、ウォレットアドレスの使用回数などには制限をかける事になると思います。
浜田 : 有名なウォレットアドレスだと強いモンスターが出てきたりもしますか?
伊藤氏: まだ決まってない部分が多いですが、そういった案も上がっています。
アドレス所有元の企業とコラボして特別なモンスターが召喚できたら面白いですね。
浜田 : 速攻でクリプトキティーズのアドレスを狙わないとですね。
伊藤氏: クリプトキティーズとかコインベースみたいな大手取引所とか…。
伊藤氏: 公式に発表はしていませんが、5月中にベータ版のリリースをして、6月に本リリースを予定しています。
プレセールも実施する予定ですが、どういった形で実施するのか、価格帯はどうするかは状況を見ながら判断する予定です。
ただ、開発資金を得るためのプレセールというよりも、ゲームイベントの一つとしてのプレセールの形でやっていきたいので、プレセールでの金額によって開発を進める進めないではなく、リリース準備がある程度整ってから、オープニングセレモニーのような形で企画できれば良いなと思っています。
プレセール失敗したら開発が頓挫するとかそういう事は無いです。
浜田 : プレセールでは強いモンスターを?
伊藤氏: まだあまり詰めていませんが、基本的には限定かつある程度ステータスにプレミアが付いたモンスターを出す予定です。
本リリース後のイベントで優位性のあるモンスターを出せたらと考えています。
浜田 : モンスターから紐付けたウォレットのアドレスは見ることができるんですか?
伊藤氏: その予定で考えています。ただ、召喚アルゴリズムの攻略というか解析はされないようにしなければいけないので、どういった形式にするか検討中です。
その辺りの透明性って難しいですよね。
クリプトキティも遺伝子生成のスマートコントラクトは外部参照して解析防止策をとっているので、そういった部分は参考にしていきたいです。
浜田 : ランキングバトルがあるということは何か報酬があるんですか?
伊藤氏: 設計中ですが、ブロックチェーンゲームはそういったインセンティブも特徴の一つなので、その辺りもしっかり考えています。
浜田 : 設計で重要視している部分はどこでしょう。
伊藤氏: 重要視している部分で言うと、「極力ブロックチェーンを意識せずに遊べる様にする」という点です。
そのために犠牲にしなければいけない部分として非中央集権や分散化などがありますが、現段階ではUIUXの方に重みをおいて、極力ブロックチェーンを意識せずにプレイできて、所有権や限定数などオープンかつ信頼性を担保する必要がある情報をブロックチェーンで管理するという設計にしています。
浜田 : オフチェーンでやられるんですか?
伊藤氏: バトルであったり育成などの基本プレイはオフチェーンでやって、
モンスター等のトークン化に関しては、ユーザーの任意のタイミングで出来るようにするといった感じです。