前編では、βバトルを終えて、見つかったゲーム設計上の課題や対策を紹介しました。
後編では、ターゲット層やウォレットとの取り組みについて紹介します。
前回に引き続き、マイクリプトヒーローズ(MCH)を運営する、double jump.tokyo株式会社のCEOである上野広伸氏と、COOの玉舎直人氏に、βバトルを終了してからの振り返りを伺いました。
いよいよ正式サービスのローンチを控えたマイクリプトヒーローズ(MCH)。
βバトルを終えての振り返りをインタビューします。
上野氏 : バトルβを運営してみてわかったのが、いきなり、仮想通貨での取引を触ったことが無い人をいれると、ゲーム以外の所で詰まってしまうというか、サポート詰まりが起こるということ。
玉舎氏 : 今マーケティング全般、とツイッターの中の人までも(自分が)やってましているんですけど、うちは基本的に開発の会社なので、開発以外のことって基本、僕が全てやってますw
バトルβでは、ユーザーの獲得をどこまで広げるかけっこう悩みました。
上野氏 : 結論として、ターゲットは、dappsをやっている人と、dappsはやってないけど仮想通貨をやっている人までに絞りまして、それ以上の一般ゲーマーに関しては、基本は狙わないという方針でやっていました。
βテストですし、イーサリアムが無いとヒーロー買えないし、その状態で、一般の人を入れてしまうと、悪いUX・体験が先行してしまって次にまた入ってくる時にとんでもない壁ができてしまうのではないかと思い、我々はあえてターゲットにしませんでした。
上野氏 : 正直、現状のdappsってまだ入り口のハードルが高くて。
dappsの入り口としては、仮想通貨取引所が一つで、もう一つがウォレットだと思っていて、
これからはウォレットがより入り口として広がっていくと信じています。
それでウォレット事業者さんとは、なるべくいろいろなところと提携していこうという方針で、自社での単体ウォレット事業は絶対やらない。
TokenPocketやGo!Wallet、CoinbaseWallet、Qurageなどとしっかり提携して、
お互いにユーザー獲得をし、お互いにUX/UIを高めていくのが大事かなと。
なので、導線も含めてUX/UIが不十分な現段階では、あまりターゲットを大きくは広げないという前提でやってきました。
上野氏 : とはいえ、予想外に広がってしまった部分もあり、そのおかげで見えた可能性もありまして。
Dappsは意外と次のフェーズにいけるんじゃないかと言う話を今はしています。
ユーザー層拡大の要件としては、
イーサリアムを購入できる状態
ウォレットを容易に入れられる状態。
それと、まともなゲームが出ている状態
という、この三つの要件がそろえばいけるかなと言う気がしてきました。
一つ目(のイーサリアムを購入できる状態)はコインチェックが再開し、DEXみたいなものも増えてきて、イーサリアムをなんとか手に入れるという道が、もう一回開かれ始める期待感があります。動いてきている。
TokenPocketで、イーサリアムをDEXで、ペイパル決済で手に入れられるとか。なかなかすごいなと思いました。
あれもまだ一般認知されていないですけど、ウォレット側にイーサリアムを手に入れる道さえあれば、なんとかなりますので。そういった環境が整ってきつつあるなという感があります。
(二つ目のウォレットを容易に入れられる状態は、)国内でも、GO!Walletなどいろいろなウォレットが出てきましたし、中国にもいろいろなウォレットがあるようで、そういうところからも結構お声がけいただいています。
スマホアプリのウォレットには、依然Appleリジェクトという懸念はあると思いますが、ウォレット=Dappsブラウザを入り口にした流れができててくるんじゃないかという期待も出てきた。
(三つ目のまともなゲームが出る事は、)我々も含めてですけど、果敢に現状の技術的・法的制約の中で、ちゃんとしたゲームを作ろうという会社や人が出てきています。
これらがだんだんいい方向にスパイラルしてきているなという感じが、実は今回のMCHをやってみて感じています。
なので、次の正式サービスからは、少しターゲットを拡げたいなと思っています。