大企業であるIBMなども関係があるHyperledger。
先日、富士通に関する記事にも出てきましたが、ソニーや日立、富士通、NTTなど国内企業もHyperledgerに注目しています。
Hyperledger はブロックチェーンプラットフォームですが、ビットコインやイーサリアムのように通貨が発行されている訳ではありません。
今回はHyperledger について纏めてみました。
Hyperledgerは2015年12月にアメリカの非営利共同事業体であるLinux Foundationによって開始された、オープンソースのブロックチェーンプラットフォームを構築する推進コミュニティです。
「仮想通貨」だけでなく、様々な分野でブロックチェーン技術の促進を目指し設立されました。
ブロックチェーン技術は、既存のシステム管理に必要なコストを削減するとして期待されています。
当初、仮想通貨は送金による手数料を大幅に削減できることから注目を集めていましたが、今ではスマートコントラクトなど取引履歴を記録するだけでなく、プログラムを記録することで自動化できるなど、その利用法は多方面に拡張されています。
このことからブロックチェーン技術は金融、保険、製造などの多岐に渡る分野において組み込むことで、コストも抑えられる他、信頼性や透明性の高いアプリケーションやプラットフォームの構築を可能にします。
ブロックチェーンというとビットコインやイーサリアムなど仮想通貨を思い浮かべますが、前述でも記載したとおり、その活用法は多様化しています。
仮想通貨はパブリック型に分類され、独自の通貨を発行し誰でも購入することができます。
しかし、Hyperledgerはそのプラットフォームからトークンを発行していません。
Hyperledgerはブロックチェーン技術が持つ特性を社会システムの様々な分野に活用していくアプリケーションやプラットフォームを構築する、プライベート型、あるいはコンソーシアム型になります。
Hyperledgerが提供する製品は、多くの日本企業も注目しており、メガバンクの一つであるみずほ銀行では、貿易金融基盤の高度化を目指し検証を実施。
また、先日お伝えした富士通ではジャパネット銀行との実証実験に「Hyperledger Fabric」が活用されています。
国内最大の電機メーカーである日立製作所の長稔也氏は、唯一の日本在住Hyperledgerプロジェクト ボードメンバーでもあります。
Hyperledgerにはいくつかのプロジェクトが進行されています。
Hyperledger fabricは、アメリカの世界的IT企業であるIBMが主導するプロジェクトです。
ブロックチェーン技術においてのアプリケーションやソリューションの開発基盤となることを目標とし、多様なユースケースに向けて、アプリケーションとセキュアなブロックチェーンネットワークとのやり取りをテストしています。
Hyperledger Sawtoothは、アメリカのIntel社が主導するプロジェクトで、リソース消費削減機能などを有したオープンソースの分散型台帳を実行、コンポ―ネットがそれぞれ部品化されていて、置き換え可能になっているのが特徴です。
Hyperledger Irohaは、ソラミツ株式会社が主導するプロジェクトです。
ソラミツ社(soramitsu)は主に金融向け・非金融向けのブロックチェーンサービス事業を展開しているスタートアップ企業です。
シンプルな設計で、開発者に理解しやすく、開発しやすい構造で、ソラミツが独自に開発した合意形成アルゴリズム「スメラギ」(Chain-based BFT algorithm)を採用。
通貨やポイントなどのデジタルアセットを簡単に(チェーンコードを実装せずに)発行・送受信できるライブラリを用意されており、システム導入の簡易化とメンテナンスを実現します。
Hyperledger Burrowは、MonaxとIntelが主導するプロジェクトで、イーサリアムから派生したパーミッション型のスマートコントラクトマシンを開発することを目指しています。
hyperledgerは、金融、銀行、IoT、サプライ・チェーン、製造、技術の様々な分野で活用が見込まれています。
130を超えるメンバーと、進行中の8個のプロジェクトが協力して、企業レベルのブロックチェーンプラットフォームを構築しています。
大手企業も注目しており、IBM、Intelなどが主導していることから、今後標準化されていくかも知れません。