DApps、仮想通貨を調べるとERCトークン、ERC20、ERC721、ERC115などの用語が頻繁に出てきます。となると、そもそもの「ERC」を理解すると、より分かりやすく捉えることができるのではないでしょうか。
ERCとは「Ethereum Request for Comments」の頭文字をとったもので、イーサリアムベースで発行できるトークンの仕様を決めているものです。
ERCは、イーサリアム上における技術仕様を文章化したもので、ソースコードはGithubに公開。誰でもこれをベースにしてブロックチェーンを構築することができます。
元々イーサリアムは、ブロックチェーン上で動作するアプリケーションのプラットフォームとなる事を目指しています。
技術仕様を統一することで、取引所やウォレットの開発など取り組みやすくなり、イーサリアムコミュニティにとってもユーザーにとっても大きなメリットを生みます。
イーサリアムが技術仕様を統一する動きは、当然の事かも知れません。
色々な産業、製品を見ても規格を世界規模で統一しています。
例を挙げるISO(国際標準化機構)やIETF(Internet Engineering Task Force)などが挙げられます。
ISO(国際標準化機構)とは各国の国家標準化団体で構成される非政府組織で、国際的な標準である国際規格を策定しています。
例えばここに1本のネジがあるとします。
このネジにもISO規格が定められています。規格を統一することで世界のどの国で作っても安定したネジを生産することができます。
IETF(Internet Engineering Task Force)はインターネットに関する技術仕様の標準化を推進し策定する機関で、ここでまとめられた文書はRFCと呼ばれ、インターネット上で誰もが参照することができます。
ここで出てきたワード「RFC」は、イーサリアムで出てくる「ERC」に相当すると理解して良いでしょう。
現在私たちは異なるOsを使いインターネットを利用しています。
Windows、Mac、Android、iOSなどありますが、タイプの違うOsを利用しつつも誰もが同じようにインターネットを使うことができます。
これは、全てのコンピューターに共通の技術が使われていることが挙げられます。
もしもインターネットを構成する一つ一つの技術が、コンピューターや国や地域ごとに異なっていたら、相互接続し利用することは困難でしょう。
このように標準化することで大きなメリットを生み、イーサリアムのようなワールドコンピューターを目指すプロジェクトには必然的と言えます。
ERCを調べていくとEIPというワードが出てきます。
ERC、EIPを簡潔に纏めると
ERC➤イーサリアムに関する技術仕様書
EIP➤改善提案書
イーサリアムのプラットフォームの基準を改善する提案書となります。
EIPは「Ethereum Improvement Proposale」の頭文字をとったものです。
ERCとして公開された技術仕様に関する文章は、まず問題定義から始まります。
提案された問題や技術が重要であれば議論が進み、必要であると解釈。最終的にEIPとして採用されます。
The Ethereum Improvement Proposal repository
Draft(検討段階)→Accepted(承認済み段階)といった状態があります。
AcceptedされたEIPは最終的にまとめられ、イーサリアムの仕様として正式に採用(Final)されることになります。
Draft(検討段階)→Accepted(承認済み段階)→Final(正式採用)
Draft
検討するために上げられているEIP
Accepted
すぐに導入される予定のEIPで、次のハードフォークに含まれます
Final
以前のハードフォークで採用されたEIPです
Deferred
即座に導入するか検討を現時点ではしないEIPで、将来的に再考慮されるかもしれないEIPです
今回はERCについて纏めて見ました。
DAppsに興味をもつと「ERCトークン」や「ERC20」というワードが頻繁に出てきます。
となると、そもそもの「ERC」について理解が深まればERCトークンまた、色々な面(ブロックチェーン関連)で繋がりを見せます。
次回はERCトークン系について纏められたらと思います。