ブロックチェーン技術を活用した都市計画は、ツーク市、マルタ共和国、ドバイなど挙げられますが、国内においても経済圏創出を目指す都市があります。
この項では一部ではありますが、各国のブロックチェーン都市計画について纏めてみました。
ドバイ政府は2016年に「ブロックチェーン都市再編計画」を発表ししました。
2018年5月にドバイ・シリコン・オアシス・オーソリティ(DSOA)と共同でブロックチェーン技術に取り組むことを発表し、ドバイブロックチェーン事業登記制度(Dubai Blockchain Business Registry)として公表。
同プロジェクトはスマートドバイとIBMも共同で開発しており、ブロックチェーン技術を活用して登記登録ができるようになります。
同年7月、ドバイ国際金融センター(DIFC)裁判所とスマートドバイは世界で初となる「ブロックチェーン裁判所」の創設を計画し提携しました。
この計画は司法プロセスの簡素化と裁判によって重なる文書の重複を排除するために計画されたもので、ブロックチェーン技術を裁判に用いることで、契約内容を改ざん不可能にしてシームレスに記録する事ができます。
ドバイ政府は2020年までに全土の土地登録情報をブロックチェーン上に記録するとしています。
Binanceの本拠地であるマルタ共和国もブロックチェーンに注力する国の一つです。
マルタ共和国は、ヨーロッパの南に位置する共和制国家で、人口40万人ほどの小さな島国です。EUの加盟国で通貨はユーロ、公用語としてマルタ語、英語が使われています。
2017年4月、マルタ共和国は政府の方針として、ブロックチェーンの利用を促進するマルタブロックチェーン戦略(the Malta Blockchain Strategy)の最初の法案を承認しました。これによりブロックチェーンの利用が促進された訳です。
マルタでのブロックチェーンの活用として、国民の学習記録にブロックチェーン技術を利用して管理するLearning Machine Groupとのパイロットプロジェクトや、マルタ初のアプリケーションとして所有権の管理をターゲットとした分散型台帳アプリケーションLP01が発表されています。
マルタではブロックチェーン技術を活用し、土地の所有権や健康記録の管理といった分野での応用も想定されています。
石川県の南西部に位置する加賀市は、2018年3月16日に「ブロックチェーン都市」の形成を宣言。
社会システム開発企業のスマートバリューとブロックチェーンスタートアップのシビラ2社と共に、ブロックチェーン都市を目指す計画を進めています。
これからの時代に向け高齢化社会、人口減少等による人材不足が問題視され、地方都市においては3大都市への人口集中により過疎化が進んでいます。
このようは背景を踏まえ加賀市では、育児、教育、介護福祉、産業・技術振興などで様々な新たな試みを行い、地域産業へのIoT技術の実証やロボレーブ国際大会を通してロボティクス技術の教育を積極的に進めています。
加賀市はブロックチェーン技術を活用することで、電子行政などの社会コスト削減や利便性を高めようとしています。
地域産業の経済効果につながる分野で、共同研究開発にも取り組み、これにより日本初となる「ブロックチェーン都市」の創出を目指しています。
2019年5月31日、加賀市とスマートバリュー(9417)は「ブロックチェーン都市プロジェクト」第一弾として、ブロックチェーン技術を活用した住民ID基盤「GaaS(Government as a Service)」の稼働を開始。また、必要な地域情報を提供する情報ポータルサイト「加賀POTAL」も合わせて公開しました。
GaaSはSNSアカウントなどのIDによって本人確認を行い、セキュリティレベルに応じた行政情報を提供するというもの。同プロジェクトは3ヵ年計画で4つのサービスを追加する予定です。
1・マイナンバーカードなどと連携させ、行政サービスの電子化による利便性の向上
2・地域交通による移動の制約を解消
3・ヘルスケア情報を個人最適化して、健康寿命を延伸
4・ラボを設立し、実証フィールドや雇用を創出する
スマートバリューは2019年5月24日、デジタルファースト法案が可決・成立したことでGaaSの全国展開を目指しています。