先月末(3月)2つのビットコインETF申請が延長されました。
仮想通貨において承認されるか否かで、市場に与える影響がかなり大きい要素となっています。
そもそも「ETFってなに?」、と言う方もいらっしゃると思いますので、ビットコインETFについて少し纏めてみました。
ビットコインETFとは、ビットコインを投資対象に含んだ上場投資信託のことを言います。
投資信託は、個人投資家から集めた資金を元に専門家(投資機関)が資産運用し、その運用成果(収益)を分配金として還元します。
今までビットコインは取引所でしか売買することができませんでしたが、ビットコインETFが承認されると機関投資家の資金流入が見込めることから、更なる価格上昇に繋がると期待されています。
ETFはExchange(証券取引所で) Traded(取引される) Fund(投資信託)の略で証券取引所に上場している投資信託を言います。非上場の投資信託は、1日に1度しか取引価格(基準価額)が決まらないのに対し、ETFは市場の動きに合わせ株式のように取引時間中リアルタイムで売買することができます。
代表的なETFとして資産運用会社バンガード社のVT(トータル・ワールド・ストックETF)やVTI(トータル・ストック・マーケットETF)、またはブラックロック社のAGG(iシェアーズ・コア米国総合債券市場ETF)などあり、2018年時点、米国市場全体のETFの数は1,515本上場されています。
ETFはインデックス(指数)に連動するように設計されており、VT(トータル・ワールド・ストックETF)なら全世界の株式に連動、VTI(トータル・ストック・マーケットETF)ならアメリカ全土の株式に連動しています。
アメリカの不動産を投資対象としたIYR(iシェアーズ米国不動産ETF)や金の相場に連動するGLD、日経平均やTOPIXに連動したいものなど特徴は様々です。
ETFは単一のものに投資するのではなく、複数に分散投資することでインデックスに連動するよう作られています。
投資家には、個人投資家と機関投資家に分類されることがあります。私のような個人で買い付けする人を個人投資家と呼ばれますが、機関投資家は顧客の資産を預かり運用する会社(投資信託)などを指します。
機関投資家は顧客から資金を集めて運用するため、大きな資金力を持っています。
この機関投資家がビットコインに連動するETFを提供すれば、投資信託だけでなく上場された証券取引所でも売買することになるので多額の資金流入が見込めます。
Glod ETFが生まれたのは2003年3月28日ですが、その後、金(ゴールド)の価格が急騰した歴史があります。
ビットコインETFの承認が下りるということは、証券取引所に上場されるということになります。証券取引所に上場させるためには、経営状態や時価総額、利益額など厳しい基準を満たさなければいけません。
現在、ハッキング、マネーロンダリングなどから、一般的に浸透していない感がありますが、この基準を満たすことにより仮想通貨はゴールド同様、金融商品として認められることになります。
ビットコインETFは、米国証券取引委員会(SEC)に何度も申請をするものの、未だ承認されたものは1件もありません。
承認されないのにはいくつか理由が挙げられます。
SECでは取引量が少ないため、「少数による価格操作」が行われることを懸念しています。
4月に入り仮想通貨が急騰していますが、一節には大口の投資家がコインベース、クラーケン、ビットスタンプなど約111億円相当の20000BTCが取引されたと報道がありました。
このように市場規模がまだ成熟されていない場だと、意図的に価格操作を起こすことも可能です。
今回の急騰をSECはどう見ているのか気になるところでもあります。
また、「SECの管理下で監視することができるのか」という点も疑問を抱く点であります。
例えばVT(トータル・ワールド・ストックETF)などは、証券取引所の監視下のもと不正や価格操作が行えないようになっています。
ですが対象となる仮想通貨は、世界各国にある取引所から取引することができるため、「すべてを管理することは難しいのでは」という声も聞きます。
先日SECは2つのビットコインETF(Bitwise/VanEck)の可否判断を延期しました。
これにより、次の予定日は45日延期されたため、Bitwiseが5月16日、VanEckが5月21日となります。
ただし、SECでは最大240日間延長することが可能なので、Bitwaiseの最終期限が10月13日、VanEckは10月18日となる可能性も十分考えられます。