BlockBase株式会社エンジニアの田中康平氏にお話を伺いました。
田中氏 : BlockBase株式会社エンジニアの田中です。
プロダクトマネージャーとして、プロダクト全般を見ています。
また、コードを書くだけでなく、採用や営業にも携わっていて、チームをよくするために何でもやっています。
もともとは、大学卒業して、半導体の製造装置、機械の設計のエンジニアとして七年間働いていました。
田中氏 : ブロックチェーンとの出会いは、17年の4月くらいにビットコインを買ってみたことからでした。
その時はとにかく買っただけでしたが、だんだんブロックチェーンが気になり、ブロックチェーンの仕組みの本や記事を読んでいくうちに、革命的だと思いハマりました。
会社に所属しながらですが、自分でマイニングをする為にボードを買ってきて、自宅で作ったり、スマートコントラクト書きたいなと独学で書いてみたりして、ブロックチェーンにどんどんのめりこんでいました。
ちょうどその時、違った生き方をしたいなという思いがありました。
今の時代、堀江貴文さんや落合陽一さんが、好きな事を突き詰めたらいいというような発言をしているように、興味がある事に人生を賭けている人たちが活躍していると思っていて、自分の好きなこと、自分に興味がある事に人生を賭けたい、一回チャレンジしてみたいと背水の陣でチャレンジしました。
プログラムもほとんどできず、家のローンも有り、子供も二人いる中で会社を辞めて、プログラミングスクールで半年勉強しました。
ちょうどそのころにオオキマキとツイッターで知り合ってブロックベースに参画しました。
浜田 : ご家族は応援を?
田中氏 : 最初は大反対でした。
でも会社にいる時からブロックチェーンに賭けたいと伝え続けて、毎朝早く起きて、勉強している姿をみせつつ、最後はバシっと辞めました。
真木氏 : 今も背水の陣ですか?
田中氏 : とりあえずエンジニアとしてはやっていけるようになりましたが、会社としては背水の陣かもしれないですね。
この業界は一年先が見えないですし、スタートアップなので。
でも自分に背水の陣は合っているとは思います。
なので、エンジニア以外にも採用や営業も、会社の為になることなら全てやっています。
浜田 : 営業もこれまでされたことはあったんですか?
田中氏 : ないです。なかったですが、自分で仕事を持ってきた方が当事者になれる。
そして、今後ブロックチェーンのエンジニアでコードかける人はたくさん出てきます。
その時に、ブロックチェーンエンジニアとして需要が出てくるのは、いかに社会的なことに実装して、より良いものにしていけるか、お客さんの課題を聞いた上でソリューションとしてブロックチェーンを使うと言う紐付けができて、さらに運用まで考えられることだと思っています。
真木氏 : 弊社としてもそこがエンジニアの価値になってくると思っています。
エンジニアだけをしてもらうのは、ブロックチェーンエンジニアの意味が無いなと思っています。
なので、僕も営業しますし、インターンの人すら営業をしています。
ちゃんと自分で考えながらできるようにしていこうと思っています。
考える為の材料としても、お客さんと直接話せるようなチームにしていきたい。
けっしてブラックなわけではないです(笑)
田中氏 : 先日ハッカソンに出場し、最優秀賞を受賞したんですが、受賞のポイントだと感じたのは、ブロックチェーンを使うだけじゃなくて、使う人にどういう風に良いことがあって、ブロックチェーンで解決していくということを落とし込んで実装できたことでした。
その辺りをエンジニアができると強いチームになってくると思います。
日頃からそういうことを意識していたからか、ハッカソンも全員そういう思考になりました。
真木氏 : 去年はブロックチェーンを使っていればdappsでした。
使う事自体に価値があったんですが、今は、こう使うから価値がある、どう使うかと言う、ユースケースに価値が出てきています。
ブロックチェーンの実装に関しては、作るだけでいいので作業になってきている部分があります。
技術力があるからこそ考えられるユースケースに価値が出てきているので、そうした部分を全員で伸ばしていけたらと思っています。
田中氏 : どれだけ手を動かして、実際実証実験などで知見を溜めると良いと思いますね。
ローカルでいくらスマートコントラクトを叩いていても意味がなくて、外に出して初めて課題がでてきます。
なので、弊社もデプロイ重視です。
僕が入って2週間くらいでEOSのdappsを作ってリリースするまでしたんですが、デプロイして、社会に出すということに意味があり、そうしたことでEOSの知見がたまったりもしました。
浜田 : チームとしてのやり方はどんな方法を取っていますか?
田中氏 : 最初は勢いに任せてとにかく作ってました。最近はメンバーが増えてきて、効率がよくなかった部分もあり、
役割を明確にした上で、誰がどこをやるのか、タスクは見えるように気をつけていますね。
いい意味でトップダウンではない、みんなで話し合って、参加して全員が主体的にそれぞれで動く。コアの部分を共有していて、それぞれがそれぞれの強みをいかしていきながら、みんなでやっています。
真木氏 : 意思決定をみんなでやっています。なので、僕の意見が通らないことがよくあります。
田中氏 : 一人の思考で進んでいくと、それがあっているかわからなかったりするので、全員で思考して、早く進んで、軌道修正する事が、不確実な未来のアプローチとしては良いと思います。
浜田 : 仕様変更たくさんありますもんね。
田中氏 : 先ほどの2週間で出したEOSのアプリは2週間のうちに大幅な仕様変更が4回くらいあったりもしました。
状況に応じて変わってくるので変化に対応する力も付けつつ。
Bazaaarも仕様変更がかなり多くありました。
最初はOpenseaのコピーだったんですね。さくっと出してしまおうと思って。
でも、色々考えていく中で、使われるサービスじゃないとよくないですし、dappsのトレンドもこの一ヶ月で変わってきていたのでどんどん仕様が変わりました。
真木氏 : 状況見つつ、柔軟に変えていくというのは多いですね。
その時点での最適な事が、一週間単位で違ってきたりするので、最新の状況で最適な回を出せるようにしています。
田中氏 : ブロックチェーンのキラーアプリやキラーエコシステムを作っていきたいですね。
それが出てきてようやくブロックチェーンの本来の価値が出てきます。
色んな人が言っていますが、キラーアプリケーションじゃなくキラーエコシステムが出てくると思っていて、そういうものを作れるか貢献できるかをしていきたいです。
ERCの新しい提案もしてみたいですし、パッケージも作ってみたいですし、ブロックチェーンが真価を発揮できるようなユースケースを作っていきたいですね。
もっと遠くの夢だと、ワークとライフを一緒にしたいと思っています。
毎日楽しくなるような生き方をしたい。
人生と仕事がイコールになるくらいがいいかなと思っていて、そうじゃないと楽しくないと思うので、そうなるようにしていきたいと思います。
BlockBase, Inc. - プロトコルやチェーンと既存のビジネスの間に立ち、プロダクトのプロトタイピングを高速且つ大量に繰り返し本当に有用なblockchainのユースケースを探し続ける
先日NFT売買マッチングサービスのBazaaarをリリースした、Blockbaseの真木大樹氏と田中康平氏にインタビューを行いました。
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