東京ゲームショウ2025は来場は前年を大きく上回る一方、ブロックチェーンゲームの出展は絞られ、淘汰と再編の現実が浮き彫りとなりました。
「東京ゲームショウ2025」が幕張メッセで開幕。主催掲示の初日(ビジネスデイ)速報は、総入場者数52,352人で、前年同日(2024年)42,031人から約25%増。内訳は展示会入場者50,905人(約26%増)、プレス入場者1,447人(約13%減)でした。
来場熱は継続する一方、ブロックチェーンゲームの出展は前年より明確に減少。昨年の記事で取り上げた中では、Avalancheサブネット「Beam」上のBloodLoopのみが継続出展という状況で、Pixelmon TCGの新規参入、Fusionistsのプレイアブルデモが目立った動きでした。
Oasys上で独自L2「GESO Verse」を展開するGMOメディアは、今年も自社コーナーを設置。具体的な新作発表はなかったものの、既存のBCGプラットフォーム運営者として存在感を示していました。Web3市場が淘汰局面に入る中で、「継続事業者」としての信頼性を印象づける形となりました。
Avalancheサブネット「Beam」で稼働するBloodLoopは、すでにEpic Games Storeで正式リリース済みのタイトルとして今年も出展。プレイアブル展示を通じて完成度の高さを示し、ブロックチェーンゲームが“継続開発から実サービスへ”と移行していることを強く印象づけました。
Avalancheサブネット「Beam」で稼働する5対5ヒーローシューティングゲームの「BloodLoop」は、前年に続き継続出展。
BloodLoop is a 5v5 hero shooter set in a dystopian future, immersing players in frenetic third-person battles. Teams of heroes with unique abilities vie for control in epic showdowns, offering a dynam...
カジュアルなパーティ型タイトルForgotten Playlandは、明るいビジュアルで来場者を惹きつける展示。
Enter the world of Forgotten Playland. Where playful chaos, exhilarating party games, and adorable PlushKyns collide.
Pixelmon TCGは、カードバトル×NFTを融合させたトレーディングカードゲーム。モンスター育成とデッキ構築の組み合わせで「収集と遊び」の体験価値を強調していました。
Collect, Evolve & Battle alongside your Pixelmon in our Multiplayer Open World Adventure and Monster Combat Arena.
Warden’s Ascentは、Pixelmonが開発するモバイル向けターン制ファンタジーRPG。100以上のモンスターを集め、進化させ、戦略的なバトルを楽しむ無料プレイタイトルで、Avalancheブロックチェーンを活用したNFT要素が特徴。
大型メカの立像が目を引いたFusionistsは、今年初めてプレイアブルデモを提供。ビジュアル展示中心だった昨年から大きく進展しており、会場でも注目度の高いブースの一つでした。
宇宙を舞台にしたSFタイトルのWEB3ゲーム「Haunted Space」を開発したイタリアのデベロッパー。展示タイトルのHell GalaxyはWEB3ではありません。
バトルアリーナ型タイトルEXE ARENAを出展。競技性の高いPvP体験を前面に押し出しており、eスポーツ領域でのWeb3展開を模索する意図が感じられました。
Yenpointのブースでは、BSVブロックチェーンを活用したNFT技術が紹介されていました。1MBのNFTを1円以下で発行できるという低コスト設計が特徴で、プレイヤーはガス代を気にせずNFTを扱えるのが魅力です。開発者にとってもUnityなど既存環境から手軽に組み込めるWeb API感覚の仕組みが用意されており、ゲームの枠を越えてアセットがさまざまなサービスに広がっていく未来を感じさせる展示でした。
タイのデベロッパー「VARISOFT」三国志を題材にしたWEB3ゲーム「TSX by Astronize」の開発元として知られています。
今年の東京ゲームショウ2025におけるブロックチェーンゲーム関連出展は、数こそ減少したものの、残った企業はいずれも明確な方向性を持って展示を行っていました。
Avalanche陣営の複数タイトルや、プレイアブルへ進化したFusionists、欧州からのITALIAN GAMES FACTORYなど、「継続」「進化」「新規挑戦」が三本柱として浮かび上がります。
一方で、期待された「BCG×AI」の潮流はまだ顕在化しておらず、次の一年でどのように進展していくかが注目されます。淘汰の中で残ったプロジェクトが、今後のブロックチェーンゲーム市場を牽引するかもしれません。
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