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【インタビュー】モバイルウォレットブラウザにKYCは? GO!WALLET 佐藤崇氏 2/2

DAppsは開発者にとって敷居が高い

佐藤氏 : DAppsって昔のホームページや、WEBサービスを作るよりも、はるかに敷居が高いです。
この敷居が下がれば、めちゃくちゃコンテンツも人も増えると思います。
インターネットの相互通信の文脈では、ユーザーはコンテンツの閲覧者であり、発信者であるべきだと思いますので、ブロックチェーンゲームを「魔法のiらんど」みたいな感じで、だれでもカジュアルに作れる仕組みを作らなくちゃいけないと思います。
あと、今は一般には難しい言葉が多いと思います。
例えば、GOWALLETでは徹底していることですが、「送金、受金」って使う言葉ってありますけど、これは嫌いで使いません。
お金をやり取りしているって思われると、慎重になってしまい、ゲームを遊ばないので、「送信、受信」という言葉に置き換えています。
これまでの「法定通貨の資産の置き換えを管理する」というツールになっては、アプリケーションを連動させて遊ぶみたいな魅力が伝わらないと思っています。

UI/UXで気にしている所

木村 : GO!WALLETのUI/UXではどんな所を気にしていますか?

佐藤氏 : ウォレットアプリでは、秘密鍵をエクスポートしないと使えない事があると思いますが、別に後回しにしてもいいんじゃないかと考えています。
マイクリプトヒーローズをやりたいユーザーは、今すぐやりたいのに、秘密の呪文を保存しろみたいな。
ユーザーはゲーム画面が開きたいんだっていう流れなはずなのに、先にウォレットに秘密鍵を保存するとか、何してんのっていう感じじゃないですか。

そういうことだから、GO!WALLETでは、(秘密鍵をエクスポートしないと)起動のたびに確認画面を出しますけど、必ず回避できるようにしています。
クライアントに秘密鍵をもたせるのが安全だと言われますけど、僕からするとクライアントに鍵があっても安全じゃないと思っています。

むしろ、資産を守るっていう意味では、金融庁が認可した取引所ならば、銀行の預金保険機構みたいに保証金額の上限はありますが、保証されるので、ぶっちゃけて言うと、取引所に預けてるほうが安全だと思います。
仕様を作った技術者史観で「仮想通貨ってそうあるべきだよね」というお作法が、いろんなハードルを生んでいるのではと感じてます。

ウォレットの未来の主軸

木村 : ブラウザのウォレットと例えばメタマスクと、アプリのモバイルブラウザウォレットはどちらが主軸になっていくと思いますか?

佐藤氏 : WEBベースでアプリケーションが増えていく世界なら、サファリのようなWEBブラウザに内包されていく可能性はあるかと思いますが、今はウォレットというのを基盤にして作っていくのが良いかとおもっています。

金融庁のウォレット業者への対応について

木村 : 金融庁が発表したウォレット業者へ規制内容に、KYC導入義務が含まれています、それにについてはどう思われますか?
(KYC: Know Your Customer(顧客確認) )

佐藤氏 : うちはサーバーで何も管理してないので、KYCをする理由がないのです。(本音を言うと、そもそもリアルのお金が匿名で使えるのになぜデジタルのお金はKYCを求められるのか私にはあまり理解ができません。)サーバーサイド側でそういった取引情報や、秘密鍵などを管理しているサービスは管理責任を取るというのは、理解できますので、おそらくサーバーサイドウォレットに対しての規制だと一義的に見ています。
中長期的にはそれ以外のウォレット業者もKYCをしなさいと、という話は出てくるんじゃないかと思ってます。しかしブラウザーウォレットは誰でも、単なるオープンソースウェアだし、ぶっちゃけだけでも作れるしそんなのは規制しようがないですよね。(検閲でもするつもりですかね)

直近でいうと、ウォレットアプリがアプリストアにたくさんありますが、それが規制されるとしたら、それはそれでちゃんと運営している会社のアプリが残りますので、そういった観点ではプラスかと思っています。(ユーザー目線は別)
KYCコストはどうなるんだ?という話ですが、ユーザーが少なかったら、そもそもコストが掛からないし、増えたら増えたで、収益源が見えて来ますので、そうなった時に事業モデルを考えればいいと思ってます。それにKYCコストをかけることになったら結局だれもサービスの担い手がいなくなくなるだけなので市場がなくなるだけです。
外野からシニカルに見ている人たちもたくさんいそうですけど、結局そうやって外野からみているようでこの業界に関わる人達はそういう視点は結局の所自分たちが困るようにしか思えません。我々は市場ができる前提でやっているだけなのでできなかったらどうするんだ、という視点は考えないようにしています。
とはいえ、ウォレットだけ提供していると、収益源が無いので、ユーザーが増えるとKYCのコストってぶっちゃけ払い続けられないんですよね。
なので、アプリケーションや、ゲームの文脈でマーケットが来るので、そこでお金が使われるというというのを前提にして、その周りで使われるサービスをウォレットの上で作っていくという視点でやっています。
大事なのはユーザーを増やせるか、マーケットを作れるかというところだと思います。むしろKYCの規制対象になるぐらいに早くマーケットを作る、すべてはそれからでしょう。インターネット黎明期に放送法との規制でインターネットを批判する勢力がワイワイいっていたときと同じです。

最後に

佐藤氏 : 日本は2,3週遅れているので、日本のプレイヤーからDAppsのキラーアプリケーションが出てこないと、本気でマーケットが出来ないと思っています。
ブロックチェーンに興味を持っている意識高い系のエンジニアは沢山いるんですが、皆セキュリティートークンなどトークンにばかり興味があって、もちろんトークンが与える世の中への影響が大きい、という視点はわかるんですが、技術そのものを突き詰めていくよりも、いろんな物の組み合わせで価値を作っていくというところを、いろんな人がやって行くべきなんじゃないかと思っていますし、そういうプレイヤーが少ないなと思っています。

この1年、1年半が勝負かなと思っています。
僕らがマーケットを作っていくんだと言う覚悟でやっていますので、ガチでやりたい人は応援したいし、もっとガチでやるプレイヤーが入ってきてくれないかと思ってやってます。そういう仲間を増やしたいし、一緒に野心をもって戦える仲間を探しています。

まとめ

DAppsの可能性や、現在のDApps業界の課題など語っていただきました。
国内では後発ながらも、使いやすいUI/UXを備えたモバイルウォレットブラウザで、着実にファンを増やしつつも、モバイルウォレットに様々な価値を提供しようとチャレンジしているGO!WALLETは要注目です。

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著者について

ブロックチェーンゲームインフォ /木村義彦

BlockChainGame Info 編集部 ブロックチェーンゲームの最新情報、DAppsの最新動向をお届けします

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