先日(2018年11月6日)、新生銀行とコンセンシス(ConsenSys)がブロックチェーン技術活用を検討するための基本合意に関する覚書を締結しました。
各メディアで取り上げられましたが、コンセンシス(ConsenSys)がどのような企業なのか、分からない方もいらっしゃると思います。
この記事では、コンセンシスがどのような取り組みを行い、どういう活動を行っているかを纏めてみました。
コンセンシスは2014年にイーサリアムの共同設立者ジョセフ・ルービン氏がアメリカ合衆国のニューヨーク(ブルックリン)に立ち上げたフィンテック企業で、ブロックチェーン向けの分散型アプリケーションやエンドユーザー・ツールを開発しています。
このアプリケーションはユーザー・フレンドリーを重視して開発されているため、顧客は低コスト、低リスクでブロックチェーン・テクノロジーを試すことができます。
コンセンシスは、ブロックチェーン技術をベースにした世界有数のブロックチェーンプラットフォームであるイーサリアムを共同開発してきました。
その技術を応用した仮想通貨であるイーサは世界第2位の時価総額を誇ります。
社歴は浅いですが、ブロックチェーン技術開発に関して、各国政府や金融機関などにアドバイスもしており、世界的に注目を集める企業です。
コンセンシスは、ブロックチェーン技術をベースにしたシステムの開発のほか、開発者やエンドユーザー向けに、分散型アプリケーションやツールを開発し、普及させることを目的に活動しています。
社歴は浅いですが、ブロックチェーン技術開発に関して、各国政府や金融機関などにアドバイスもしており、世界的に注目を集める企業です。
創設者であるジョセフ・ルービン氏は技術分野、金融分野、及びその融合であるFintech分野に長く携わってきました。
プリンストン大学時代は電気工学とコンピュータサイエンスの学位を優等で卒業し、ロボット工学研究室で研究員として勤務。
その後ソフトウェアコンサルティング会社のソフトウェア・エンジニアやコンサルタントとして様々なプロジェクトに関わり、ゴールドマン・サックス在籍時はソフトウェア工学・金融・暗号関係の仕事を担当。
2014年1月にイーサリアムプロジェクトを共同創設し、10月にコンセンシスを創設しました。
ジョセフ・ルービン氏は自身のプレゼンテーションで「イーサリアムエコシステムのための製品及びサービスを提供すること」と明言しています。
ルービン氏は、ヴィタリッ氏と共に イーサリアム・ファウンデーション(イーサリアムの開発団体)を設立した同ファウンデーションのCOOであるため、コンセンシスはイーサリアムのための開発企業と言っても良いでしょう。
勿論、コンセンシスにはイーサリアムベースではないプロジェクトも多く存在しますが、いずれも分散型やスマートコントラクトという点で共有しています。
分散型予測市場のプラットフォームで知られる「Gnosis」やコンテンツ制作、配信プラットフォームである「SingularDTV」は、コンセンシスのオープンプラットフォームに分類されるプロジェクトです。
コンセンシスは大手企業または団体などと、ブロックチェーン技術の普及に向け提携を結んでいます。
その勢いは設立以降も衰えることなく進んでいます。
コンセンシスの活動内容を幾つか取り挙げてみました。
「BitPay(ビットペイ)」を通したビットコインでの決済を導入していた マイクロソフトは、ビジネス向けのクラウドサービス、アジュール(Azure)へのブロックチェーン・テクノロジー採用に向け、 コンセンシス と提携を結びました。
ビットコインの原理をアジュールに取り入れることで、銀行や保険会社を含むアジュールの顧客にブロックチェーン・アプリケーションを提供するなど、証券取引やクロスボーダー・ペイメント、企業会計といった観点から、ユーザーのビジネス拡大に役立てる狙いがあります。
2月1日、EU Blockchain Observatoryと協力することを発表しました。
EU Blockchain Observatoryは、欧州委員会がEUにおけるブロックチェーンの主導権を統合拡大するために発足した実験的なプロジェクトです。
欧州議会の議員でもあるジェイコブ氏が欧州委員会の金融技術に関する研究を支援する事を目的として作られました。
ヨーロッパでも金融業界はブロックチェーン技術に注目を集めており、ヨーロッパに住む技術の関係者たちを後押しする事で、ブロックチェーンの拡大と浸透を加速させる狙いが伺えます。
コンセンシスは欧州において、2017年7月に行われて入札要請でコンセンシスがヨーロッパにおける観測活動のパートナーとして、EUに選ばれてもいます。
米国最大手のオンライン小売業者、アマゾンがコンセンシスと提携を結びました。
顧客がKaleidoと呼ばれるコンセンシスのイーサリアムベースのクラウドプラットフォームの創設と運用を大幅に容易にするのが目的です。
Kaleidoはイーサリアムブロックチェーンを搭載した、最初のブロックチェーンソフトウェア(SaaS)で、安全でプライベートなブロックチェーンネットワークを立ち上げるプロセスを合理化するるサービスです。
中国「雄安新区(ゆうあんしんく)」プロジェクトと、イーサリアム技術を扱う米コンセンシス社が提携を発表しました。
「雄安新区」とは、北京の副都心として新たな経済特区を建設する計画で、「一帯一路」 と並ぶ習主席の象徴的な政策の一つです。
北京と天津から約100kmの地域に、新経済特区を建設する構想です。
コンセンシスは雄安政府に、ブロックチェーンの使用方法とソフトウェアソリューションの提供方法についてサポートするようです。
南アフリカ準備銀行(SARB)が銀行間支払いプラットフォーム「プロジェクト・コーハ(Project Khokha)」の送金テストを完了したことが報じられました。
今回のテストにはSARB以外に、合計8行の南アフリカの銀行が参加。
テストは、イーサリアム・インキュベーター・コンセンシスが開発したブロックチェーン技術を利用しています。
今回のパイロットに参加したのは、バークレイズ・アフリカ・グループ、Capitec銀行、Discovery銀行、Investec銀行、FirstRand銀行、Nedbank銀行、Standard銀行の8行が参加しています。
コンセンシス(ConsenSys)が、米国の小惑星鉱業企業プラネタリーリソーシズを買収しました。
プラネタリーリソーシズは2010年に設立し、小惑星における資源の探査、抽出、精製を行ってきました。
30人以上の投資家から5000万ドル(約56憶円)を調達しており、過去半年で2つの衛星を軌道に乗せていましたが、今年6月の資金調達ラウンドで集まらず、資金面で問題を抱えていたようです。
今回の買収の結果、プラネタリーリソーシズはコンセンシスに参加することになりました。
今回買収した理由としてコンセンシスのCEOルービン氏は、プラネタリーリソーシズのこれまでの実績や才能などを高く評価していることが主理由としています。
ブロックチェーン企業とゲーム開発会社による新しい同盟「Blockchain Game Alliance」が結成されました。
Blockchain Game Allianceにコンセンシスが加わっており、アサシンクリードなどのヒットゲームでも知られる巨大ゲーム会社のUbisoft、ALTO、EverdreamSoft、fig、Gimli、Enjin、ULTRAなど各業界を代表する有名な企業が数多く参加しています。
Blockchain Game Allianceは、仮想通貨や分散型台帳技術の統合を促進し、それらの利点を最大限に引き出して業界全体の成長を促すために、コミュニティの輪を広げる大規模な計画に取り組んでいます。
最初の取り組みとして「自由に参加できる議論の場を作ること」に焦点が当てられており、誰でも自由に参加できる活発な交流の場を設けることによって、共同作業や研究開発を促進しながらゲーム関連の大きな課題に挑戦していくことが予定されています。
今回の基本合意は、「コンセンシスが持つ分散型アプリケーションを活用を含む両者のインフラやプロトコルの活用の為」と説明。
また、新生銀行が50%の決議権を持つ香港の資産運用サービス金融機関NWB(Nippon Wealth Limited, a Restricted Licence Bank)に、銀行プラットフォームにおけるブロックチェーン技術を活用した業務・サービスの立ち上げに向けた検討を開始する予定も発表されました。
NWBは今回の提携について、ブロックチェーンなどの新しい技術により、金融業サービスが変わることを強く感じているようで、コンセンシスという強力なフィンテックパートナーを得て取り組んでいくようです。
仮想通貨、ブロックチェーンに興味を持つと、どこかで「コンセンシス(ConsenSys)」という言葉が出てきます。
コンセンシスはそれほど注目を集める企業で、企業・団体は勿論、政府もコンセンサスが持つ技術を取り入れようとしています。
世界最大手のビジネス特化型ソーシャルメディアLinkedInが、2018年版トップスタートアップ50選を発表した際にも、コンセンサスは選ばれるなど注目度が感じられます。