イーサリアム上では、BTCやLTCなどのイーサリアム規格以外のトークンを使うことができません。これをラッピングすることで利用可能にしたのがWBTCです。
イーサリアムのプラットフォーム上では、イーサリアム規格以外のBTCやLTCなどのトークンは使うことができません。
今のところは、取引所でBTCをETHやETH規格のトークンに交換してから使う必要があります。
ブロックチェーンゲームのアセットを買う場合にも、BTCで直接買うことができず、ETHに変えたうえでMETAMASKなどのウォレットに送金してから購入するため、それなりに不便です。
そんな不便さを解消するため、BTCとETHをつなぐ架け橋としてスタートしたのが「Wrapped Tokensプロジェクト」です。
この記事では、Wrapped TokenのひとつであるWBTC(Wrapped Bitcoin)について紹介します。
WBTCはETHのプラットフォーム上でやりとりができるようになったBTCです。
仮想通貨とひとくくりにしても、BTCやETHなど、それぞれ性質・仕様が異なっており、互換性がありません。ETHのプラットフォーム上では、スマートコントラクトを使った様々なアプリケーションが動き始めていますが、そこでBTCを使うことができないんです。
WBTCは、BTCをETHの規格に変換することで、ETHのプラットフォーム上でも使用可能にしています。
さきほどはわかりやすい表現のために「変換」というワードを使いましたが、厳密にはちょっと違います。
1BTCを信頼できる機関(カストディアン)に預けると、カストディアンが1WBTCを発行してくれる仕組みになっています。
そして、1WBTCを渡すと、1WBTCをバーンして預けてあった1BTCが返却されます。こうした仕組みによって、1BTC=1WBTCの価値が担保されているわけです。
詳しい解説は割愛しますが、
・1BTCを渡した時に1WBTCがちゃんともらえる仕組み
・1BTC=1WBTCの価値を維持する仕組み
など、WBTCを成立させるための仕組みはちゃんとつくられています。
BTCがETH上で使えるようになると、どんないいことがあるんでしょう。ブロックチェーンゲーマー目線で考えてみました。
現状はアセットを購入するのはETHですし、ETHのプラットフォームを動かすガソリンのような役割を担うgas代もETHです。アセット自身もETH規格のトークンになっています。
つまり、通貨もgasもアセットも全てETHになって、ごっちゃになっているわけです。
その結果として、「BTCの相場の影響を通貨であるETHが受けて、結果としてgas代(BTC建)も変動する」なんてことも起こっているわけです。
WBTCが通貨の役割を担ってくれれば、現実世界でFIATでガソリンやアセットを買うのと同じような感覚でプレイできるようになります。BTCとgas代が切り分けられるだけでもシンプルになります。
Wrapped tokensプロジェクトは、なにもBTCのためだけではありません。
将来的には、不動産や証券などもETHのプラットフォーム上にトークン化されて乗ってくる可能性があります。
不動産や証券はまだまだ先ですが、現実世界の非トークンのゲームアセットは近い未来可能性があります。
例えば、TCGで実際のカードをカストディアンの役割を持つ機関に預け(信用はさておき)、カードがトークン化されてゲームで使ったり売買できるとか、MMORPGのアイテムをトークンかして他のゲームへ持って行くとか。
これまでとはちょっと違う感覚でワクワクしますね。
ETHプラットフォーム上で使えるWBTCについて紹介しました。
BTCをETH上で使えるようになるってだけだと、あまりパッと凄さが伝わらないかもしれませんが、将来的に「なんでもトークンかしてETHプラットフォームに乗ってくる」ってところがポイントです。
いきなり金融系はハードルも高いでしょうから、ゲームなどを通じてトークンラッピングの便利さ、凄さが広まっていったらいいと思います。