Pantera主導で累計約1,730万ドルを調達し、Apple準拠のネイティブアプリとして数百万ダウンロードを記録したInfiniGodsが事業終了を発表。$GOD最終分配は10月26日、サーバー停止は11月1日。2026年秋のWeb3ゲーム撤退ラッシュを整理する。
モバイル向けブロックチェーンゲーム『King of Destiny』を手がける米スタジオInfiniGodsが、事業終了を発表した。Pantera Capital主導で累計約1,730万ドルを調達し、Apple App Storeの審査基準に準拠したネイティブアプリとして数百万ダウンロードを記録した注目株だったが、App Store・Google Playでの配信を停止し、2026年11月1日以降はサーバーを閉鎖する。InfiniGods Vault NFT保有者への独自トークン「$GOD」の月次分配は10月26日が最後となる。「大型調達」「Apple準拠」「数百万DL」というWeb3ゲームの成功条件を揃えたはずのスタジオがなぜ続かなかったのか、その背景を検証する。
InfiniGodsは公式Xにて、同社が運営するモバイルWeb3ゲーム『King of Destiny』を含む全事業の終了を告知した。すでにApp StoreおよびGoogle Playでの新規ダウンロードは停止されており、既存プレイヤーに対してもサービス終了に向けたクロージングフェーズに移行している。
公表されたスケジュールは明快だ。ゲーム内経済の中核をなす独自トークン「$GOD」の報酬分配は、2026年10月26日が最終回となる。さらに2026年11月1日以降は、ゲームサーバー自体が停止される。NFTや$GODを保有するユーザーは、サーバー稼働中にゲーム内資産の整理やウォレットへの引き出し、交換といったアクションを済ませておく必要がある。
InfiniGodsは、独自のオンチェーンインフラとモバイルファーストの体験を両立させた数少ないWeb3スタジオとして知られていた。資金・技術・ユーザー基盤のいずれも揃っていたプロジェクトが幕を下ろすというニュースは、業界に少なからず波紋を広げている。
InfiniGodsは2022年5月、Pantera Capitalがリード投資家を務めるシードラウンドで900万ドルを調達して業界デビューを飾った。The Blockの報道によれば、同ラウンドにはFramework Ventures、Jefferson Capital、Animoca Brands、Double Peakといった著名VCも名を連ねていた。その後の追加調達も含め、累計調達額は約1,730万ドルに達したとされる。
同社の最大の強みは、Apple App Storeの厳格なガイドラインに準拠しながら、NFTとトークン経済を組み込んだモバイルゲームを提供できていた点にある。多くのWeb3ゲームがApp Storeの審査を通過できず、ブラウザ版や野良APK配布に頼らざるを得ないなか、InfiniGodsは正規ルートでネイティブアプリを配信することに成功していた。
ダウンロード数も好調で、『King of Destiny』は累計で数百万DLを記録。モバイルマス層へのWeb3ゲームの橋渡し役として、業界内外から大きな期待を集めていた存在だった。
InfiniGodsの事業終了は、単発のニュースとして見るべきではない。2026年秋以降、Web3ゲーム業界では主要スタジオの撤退や事業縮小が相次いでいる。
フランス発のWeb3ゲームスタジオUnagiが裁判所命令による清算手続きに入り、NFTマーケットプレイスBlurもウェブサイトの閉鎖を発表。L2チェーン「Abstract」も12月15日でのネットワーク終了を発表するなど、2025年のバブル期に大型調達を受けたプロジェクトが相次いで息切れしている状況だ。
共通している要因は、トークン発行後の経済圏維持の難しさと、Web2マス層への浸透の壁の高さにある。InfiniGodsのようにApp Store経由で正規配信できていたとしても、ユーザーのトークン保有・ウォレット運用のハードルを完全に取り払うことは難しく、持続的なマネタイズに結びつかなかったとみられる。
資金・技術・配信チャネルのすべてを揃えたInfiniGodsでも継続できなかったという事実は、現状のWeb3モバイルゲームが抱える構造的な課題を示している。
InfiniGodsのNFTや$GODトークンを保有しているユーザーは、以下の重要日程を確認しておきたい。
・2026年10月26日:$GOD報酬分配の最終日
・2026年11月1日以降:ゲームサーバー停止
サーバーが停止するとゲーム内でのアセット移動や交換ができなくなる可能性が高いため、該当する保有者はサーバー稼働中にウォレットへの引き出しや二次マーケットでの売却など、必要なアクションを早めに済ませておくことが望ましい。
$GODトークンは分配が終了するとユーティリティが大きく失われるため、保有継続のリスクについても慎重な判断が求められる。NFTについては、サーバー停止後も対応チェーン上に残るものの、ゲーム連動のユーティリティは失われる見通しだ。
公式Xや公式Discordでは今後も追加のアナウンスが行われるとみられるため、保有者は最新情報のウォッチを継続してほしい。
InfiniGodsの事業終了は、「大型調達・Apple準拠・数百万DL」というWeb3ゲームの理想形を揃えたスタジオでも継続が難しいという現実を突きつけるニュースだ。2026年秋の撤退ラッシュを踏まえると、業界は一度調整局面に入っており、生き残るのはトークノミクスに依存しないゲーム性と、Web2並みのUX、そしてランニングコストを賄えるマネタイズを兼ね備えた少数のプロジェクトになるだろう。保有者は今すぐ資産整理を、業界関係者は次のモデルを模索する局面だ。
InfiniGods公式X(事業終了の告知):https://x.com/InfiniGods/status/2112269568442069342
InfiniGods公式サイト:https://www.infinigods.com/
◾️ゲーム概要
InfiniGodsは、古代の神話や文明にインスパイアされたWeb3ベースのゲームに特化したブロックチェーンゲームエコシステムです。業界のベテランであるデイモン・グラ氏とオーウェン・オドノヒュー氏によって開発されたInfiniGodsプラットフォームは、アクセスしやすく、楽しく、魅力的なゲームを提供することで、ブロックチェーン技術をより多くのゲーム利用者に紹介することを目指している。同社のゲームライブラリには、InfiniMergeやKing of Destinyなどのタイトルがあり、プレイヤーにP2E(Play-to-Earn)の機会とNFT報酬を提供するよう設計されています。
◾️ゲーム内容
InfiniGodsには複数のゲームが含まれています。その中の一つであるInfiniMergeは、プレイヤーが要素を合成して進行するパズルゲームです。また、Immortal Siegeというタワーディフェンスゲームもあり、プレイヤーは戦略的に防衛を行いながら基地を守ります。これらのゲームには、ブロックチェーン技術が導入されており、プレイヤーはNFTを活用してゲームプレイを有利に進めることができます
◾️特徴
・クロスゲームNFT: プレイヤーは、InfiniGodsの複数のゲームでNFT「エルダーゴッド」を使用
・無料プレイ & Web3要素: ブロックチェーンベースのゲームでありながら、無料でプレイ可能
・神話をテーマにした設定: 古代神話をベースにした独自の世界観が展開
・相互運用可能な資産: NFTやデジタルアイテムは、InfiniGodsの複数のゲームで利用可能
・エルダーゴッド: ゲーム内で特別な力や能力を持つNFTで、InfiniMergeなどでのゲームプレイを強化
◾️基本情報
・ゲームタイトル:InfiniGods(InfiniMergeやKing of Destinyなどのゲームを収録)
・ジャンル:パズル,街づくり, 戦略
・対応デバイス:モバイル (iOS/Android), ブラウザ
・価格:基本プレイ無料(P2E要素あり)
・開発状況:進行中
・P2E: はい
・ブロックチェーン:ポリゴン
・トークン:NFTベースの報酬とゲーム内通貨
・NFT: ゲーム間で相互運用可能なNFT
・プロバイダー/開発者InfiniGodsチーム
・ホワイトペーパーURL公式サイトで入手可能