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NFTokyo2023イベントレポート

NFTokyo2023イベントレポート

2023年6月22日に東京国際フォーラム / Hall B7で行われた「NFTokyo2023」のイベントレポートです。

NFTokyo2023とは

NFTokyo2023(Non Fungible Tokyo 2023)は、NFT(Non Fungible Token)の普及と健全な業界発展を目指すイベントで、ブームを超えたNFTの未来を語り合い、産業としての基盤を議論する場として2023年で6回目の開催となります。

今年はコロナ禍後初の大型イベントとなり、2023年6月22日に東京国際フォーラム / Hall B7で行われました。Japan Blockchain Week 2023 オフィシャルイベントとして開催され、海外から多くのプロジェクトが参加しています。

サイドイベント会場の様子

会場はメインステージと、サイドステージに分かれ、サイドステージではWeb3プロジェクトがブースを構え、最新のプロダクトに触れられるようになっていました。

今回のイベントスポンサーである「tv asahi」のブースでは「僕の心のヤバイやつ」の無料ミントキャンペーンや、Web3のクリエイター支援プロジェクト「FUZIC」を紹介していました。

NFtokyo2023 サイドイベント会場:tv asahiブース

NFtokyo2023 サイドイベント会場:tv asahiブース

VeryLongAnimalsのブースではベリーロングな被り物でとても目立っていました。

NFtokyo2023 サイドイベント会場 「ベリーロング」ブース

NFtokyo2023 サイドイベント会場 「ベリーロング」ブース

Oasysチェーン上で展開されるゲーマーのためのNFTプロジェクト「OASYX」のブース。

NFtokyo2023 サイドイベント会場 Oasyxブース

NFtokyo2023 サイドイベント会場 Oasyxブース

Mintoのブースでは同社が手掛ける「うさぎゅーん!」がお迎え。

NFtokyo2023 サイドイベント会場 Mintoブース

NFtokyo2023 サイドイベント会場 Mintoブース

メインステージの開催前の時間にもかかわらず、大変盛り上がっていました。

Opening talk 藤本 真衣 (Japan Blockchain Week)

オープニングトークで藤本真衣氏は、2018年には約80人が参加したイベントが、今年は1000人以上の参加者を見込んでいること、また、NFTスペースにおける革新的なアイデアの重要性を強調し、日本政府からの大きな支援に感謝の意を表明しました。

藤本氏は、このイベントが参加者のアイデアやインスピレーションの源泉となり、革新的な技術の可能性を最大限に引き出すための一助となることを期待していると述べました。

NFtokyo2023 オープニングトーク 藤本真衣氏

NFtokyo2023 オープニングトーク 藤本真衣氏

Special Keynote 西村 康稔氏 (経済産業大臣)

NFtokyo2023 Special Keynote 西村 康稔氏 (経済産業大臣)

NFtokyo2023 Special Keynote 西村 康稔氏 (経済産業大臣)

経済産業大臣の西村康稔氏が東京NFT2023に参加し、ブロックチェーンとWeb3の重要性を強調。これらの技術が社会のイノベーションを推進し、日本の課題解決に不可欠であると述べました。また、日本のコンテンツとスポーツ分野がブロックチェーンと相性が良く、二次流通におけるクリエイターへの収益還元などの可能性を秘めていると指摘し、さらに、政府はブロックチェーンとNFTの規制と振興のバランスを保つため、税制改正やガイドライン作成などに取り組んでいくと話しました。

最後に、日本から新しい企業やイノベーションが生まれることを期待し、全力で支援すると述べ、ブロックチェーンを取り巻くビジネス環境の整備に政府として積極的に取り組んでいくことを強調したスピーチとなりました。

Web3ゲームの大規模プロジェクトが業界を変えた、次の一手は?

左から[Moderator] Alexander Shin (Shinlabs) / Xiankun Wu (rct AI / Delysium) / Jikhan Kikuchi Jung (Mythical Games) / Gabriel Leydon (Limit Break)


Web3ゲームの大規模プロジェクトが業界を変えた、次の一手は?というセッションでは、Alexander Shin氏(Shinlabs)、Xiankun Wu氏(rct AI / Delysium)、Jikhan Kikuchi Jung氏(Mythical Games)、Gabriel Leydon氏(Limit Break)が登壇し、ゲーム業界におけるWeb3の影響とその未来について議論がなされました。

Leydon氏は、自身が開発したゲーム「Game of War」でプレイヤーが大金を使ってアイテムを購入する様子を見て、プレイヤーが自分のアイテムを所有することの価値に気がつき、これがWeb3ゲームへの道を開いたと語りました。氏はまた、ブロックチェーン技術を活用してプレイヤーが自分の作ったアイテムから永久にロイヤリティを得られる新しいスタンダードを開発していると述べました。

Wu氏は、ゲームのライフサイクルが短い問題に対処するために、異なるトークンを使用して同じコンテンツを再利用する新しいプロトコルを開発していると語り、これにより、ゲーム開発者は自分のゲームを複数のメタバースで利用することが可能になると述べました。

日本の大企業がWeb3業界に参入し、どのように課題を解決していくのか?

NFtokyo2023

左から[Moderator] 松原 亮 (Oasys) / 畑 圭輔 (スクウェア・エニックス) / 堀江 悦子 (セガ / セガサミーホールディングス) / 金友 健 (コナミデジタルエンタテインメント)

このセッションでは国内大手ゲーム企業でブロックチェーン技術への取り組みと知見から、未来のゲームデザイン、ユーザーエクスペリエンス、マーケティング、ビジネスモデルにブロックチェーン、NFTがどのように貢献するかがテーマとなりました。

畑 氏はゲームのプレイ環境が変化していることに言及しました。電車の中などで短時間で遊べるゲームが求められているという現状に対応し、資産性ミリオンアーサーのゲームに関しては、5〜10分で楽しめるゲームを開発したとのことです。

さらに、スクエニは新しいプロジェクト「シンビオジェネシス」を進めており、これはWeb3系のユーザーを対象としたもので、キャラクターやストーリーを通じてコミュニティを形成し、その化学反応を観察することを目指していると話しました。特に、「情報の独占と分配」というコンセプトに基づいて、コミュニティを通じた変化や発生する現象を調査していくとしています。

NFtokyo2023 畑 圭輔氏(スクウェア・エニックス)

畑 圭輔氏(スクウェア・エニックス)

SEGAの堀江氏は現在のブロックチェーンゲームの普及状況について触れ、特に日本市場におけるその展開は遅く、ユーザーもまだ少ないと指摘しました。ただし、これを堀江さんは「開拓の余地が多く残っている」とポジティブに捉え、また、アジア市場におけるWeb 3やブロックチェーンに対するイメージが肯定的になってきているとの見解を示しました。そのため、今後日本やアジア市場を中心に、ブロックチェーンを活用したゲームサービスを展開していくとの意向を示しました。

堀江 悦子 氏 (セガ / セガサミーホールディングス)

金友健 氏(コナミデジタルエンタテインメント)は、Web 3.0がファンマーケティングの革命をもたらすと発言したことが印象的でした。これまで把握できなかった口コミの実態を、NFTやSoulband Tokenなどの技術によって明確に理解し、評価することが可能になると述べました。そして、それによりファンが中心となるユーザー層が形成され、周囲の人々が参加しやすい環境の創出が重要となると指摘しました。

金友健 氏 (コナミデジタルエンタテインメント)

サイドイベント:世界を見据えたグローバルWeb3ゲームプロジェクトが語るゲームビジネスス

NFTokyo2023イベント「世界を見据えたグローバルWeb3ゲームプロジェクトが語るゲームビジネスス」

左から[Moderator] 神本 侑季 (N.Avenue / CoinDesk Japan) / Maxi Kuan (Metap / GensoKishi Online -Meta World-) / 松谷 幸紀 (double jump.tokyo) / 村田 卓優 (グリー)

サイドイベント会場では「世界を見据えたグローバルWeb3ゲームプロジェクトが語るゲームビジネス」として、WEB3ゲームプロジェクトを展開する上で重要なポイントについて語られました。

Maxi氏はブロックチェーン技術を活用したゲーム開発における課題として、ユーザー教育、セキュリティ問題、コミュニティ形成などを挙げ、これらの課題を解決することがブロックチェーン技術を活用したゲームビジネスの成功につながると述べていました。
松谷氏は東南アジア市場、特にフィリピンにおけるゲームプレーヤーの活動が活発であること、そしてその中でゲームが楽しくなり、コミュニティのリーダーとして活動している人々がいることを指摘しました。
村田氏は、ブロックチェーンゲームの一番の可能性は、NFTのインターオペラビリティにあり、これがコミュニティを活性化させる大きな要素となると指摘しました。

ブロックチェーン技術を活用したゲーム開発における課題として、ユーザー教育、セキュリティ問題、コミュニティ形成などを挙げ、これらの課題を解決することがブロックチェーン技術を活用したゲームビジネスの成功につながるとの見方がされました。

また、グリーの村田氏はトークセッション中にNFTのマルチバースRPG「INCURSION」(インカージョン)を発表し、会場を沸かせました。

NFTokyo2023 グリーの新作Web3/ ブロックチェーンゲーム「INCURSION」

グリーの新作Web3ゲーム「INCURSION」

KyuzanのEGGRYPTO(エグリプト)は日本で最も成功しているWeb3ゲーム

髙橋卓巳氏(Kyuzan)

髙橋卓巳氏(Kyuzan)

本イベントのスポンサーであるKyuzanのセッションでは、同社が開発、運営しているブロックチェーンゲーム「EGGRYPTO(エグリプト)」が国内のWeb3ゲームの中で最も遊ばれていると述べていました。月間アクティブユーザー数が10万という数字は「EGGRYPTO(エグリプト)」が多くのユーザーに遊ばれていることを明確に示しています。また、同社がゲーム運営で培った知見を様々な他社プロジェクトのサポートに活かしてビジネスを行っていることも述べられていました。

eggrypto Dapps

EGGRYPTO( エグリプト )

EGGRYPTO(エグリプト)は、無料で始められる日本発ブロックチェーンゲームです。 
世界に1体しかいないモンスターを強化して、育成しよう。
PVPやクエスト、様々アセットアナライザーでモンスターの取引価格情報を調べることができます。
レアモンスターはNFTで発行、管理されているため、オープンマーケットで取引可能です。

■基本情報
・ゲームタイトル:EGGRYPTO
・ジャンル:ターン制バトルRPG
・対応機種:iOS,Android
・価格:基本プレイ無料
・ステータス : 運用中
・P2E:対応
・NFT: モンスター
・提供会社/開発会社 : Game with / Kyuzan Inc.

イベント参加者へのインタビュー

本イベントに初めて参加した来場者の方に、インタビューしたところ、「グローバルな動向を直接垣間見れ、新鮮な体験ができたと思います。」という感想を聞くことができました。また、AIによる翻訳の利用についても触れられており、その中には「AIでの翻訳は良い試みで、英語のセッションの理解の助けになったけれども、まだ誤訳などが気になり、改善の余地がある」との意見もありました。

政府関連の発表者からのプレゼンテーションについては、特に注目を集めていました。NFTokyo2023に初めて参加した来場者には、本イベントが新しい知識や視点を提供する有益な場となっていると感じました。

また、本イベントのアーカイブがYoutubeにて視聴できるようになっています。
タイムスケジュールは公式サイトをご確認ください。
https://nonfungible.tokyo/

出典 : youtube

【Main Stage】Non Fungible Tokyo 2023

出典 : youtube

【Side Stage】Non Fungible Tokyo 2023

そして、2023年6月28日には「Oasys Special Event」が京都の二条城にて開催されます。ブロックチェーンゲームの最新情報が発表される予定で、double jump.tokyo株式会社の「三国志大戦BCG(仮)」の最新情報も披露される予定です。二条城のイベントもレポートしていきたいと思います。

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