ソニーグループ系のEthereum L2「Soneium」が独自トークン$SONEIUMの発行計画と、ゲーム・アニメ・音楽などのIPをオンチェーン化する「Tokenized IP」構想を公表。第1弾IPトークンはSTPR系NFT「もりうさ」。TGEやエアドロップの詳細、Soneium Scoreとの関係、日本発IPとWeb3ゲームへの影響を整理する。
Sony Block Solutions Labsが運営するEthereumレイヤー2「Soneium(ソニューム)」が、独自トークン$SONEIUMの発行計画と、エンターテインメント資産をオンチェーンで扱う新構想「Tokenized IP(トークン化されたIP)」を公式ブログおよび公式Xにて発表した。第1弾IPトークンにはSTPR発のNFTプロジェクト「もりうさ」が選ばれており、Soneium Scoreを追いかけてきたユーザーが気にしていたTGE(Token Generation Event)についても「詳細は後日発表」と言及された形だ。
Soneiumは、Sony Block Solutions Labs(ソニーグループとStartaleの合弁)が開発するEthereumのレイヤー2ネットワークだ。これまでWeb3エンターテインメント領域での大型コラボや、ユーザー行動を可視化するポイント施策「Soneium Score」を軸にエコシステムを拡張してきた経緯がある。
今回、公式ブログ「Onchain Entertainment Economy」および公式Xアカウント(@soneium)の連投ポストにて、ネットワークのネイティブトークンとなる$SONEIUMの発行計画が初めて明示された。$SONEIUMは、ネットワーク全体の価値循環を担うコアトークンとして設計されるとのことだ。
一方で、トークン発行の時期や配布比率、TGEの正確な日付、既存のSoneium Score保有者に対するエアドロップ条件といった具体的な数字は、現時点では明らかにされていない。Soneium Scoreを積み上げてきたユーザーにとっては、「報酬設計の輪郭はまだ描かれていない」段階だと受け止めておきたい。
今回の発表で中核に据えられたのが「Tokenized IP(トークン化されたIP)」という考え方だ。ゲーム、アニメ、音楽、キャラクターといった従来は権利関係が複雑だったエンターテインメント資産を、オンチェーンで取引・保有・活用できる形に落とし込む構想である。
具体的には、各IPごとに独自のトークンを発行し、そのIPのファンコミュニティや関連プロダクトと接続することで、ファンがIPの経済圏に直接参加できる仕組みを目指す。NFTが「所有」の体験を提供してきたのに対し、Tokenized IPは「経済圏そのものへの参加」までを射程に入れる発想と言える。
$SONEIUMは、こうしたIPトークン群が流通する土台(ベースレイヤー)として機能する位置づけだ。個別のIPトークンの発行、取引、ユーティリティ設計を支える基軸として、Soneiumエコシステム全体の価値交換の中心に置かれる構造となる。
ソニーグループが長年培ってきたIPポートフォリオと、Web3の資産流動性を直接つなぐアプローチであり、日本発IPを軸にしたWeb3経済圏の雛形として注目される。
Tokenized IPの第1弾として選ばれたのが、Super State Holdings(STPR)から展開されるNFTプロジェクト「もりうさ」だ。公式Xのポストおよび関係者である熊谷祐二氏(@YujiKumagai)のポストでも、「もりうさ」が最初のIPトークン化対象となる旨が共有されている。
「もりうさ」はキャラクターIPとして独自のファンコミュニティを形成しており、Soneium上でのトークン化によって、キャラクターの世界観とファンの経済的参加を直結させるケーススタディになる見込みだ。
第1弾に大型アニメや大作ゲームではなく、キャラクターNFTプロジェクトを据えた点は示唆的だ。すでにWeb3への親和性が高いコミュニティで小さく始め、設計の磨き込みを重ねたうえで、より大型のIPへ横展開していくロードマップが読み取れる。
NFT Media(@NFT_Media_)など国内Web3メディアも反応しており、日本のNFT・ブロックチェーンゲーム界隈にとっては、国内IPが海外発プロジェクトの引き立て役ではなく「主役」として立ち上がる構図になる点が大きい。
Soneiumは、ユーザーのオンチェーン活動を数値化する「Soneium Score」を通じて、早期ユーザーのエンゲージメントを計測してきた。アーリーアダプターの間では、$SONEIUMのTGE時にスコアに応じたエアドロップが行われるのではないかという期待が高まっている。
ただし現時点で確定しているのは、
- $SONEIUMを発行する「計画」が存在する
- Tokenized IPの第1弾が「もりうさ」である
- $SONEIUMがIPトークン経済圏の基軸になる
という3点であり、
- TGEの時期
- 具体的な配布比率やベスティング(ロック期間)
- Soneium Scoreとエアドロップ条件の対応関係
- 対象ウォレット・スナップショット時期
といった、ユーザーにとって最も気になる部分は未確定のまま残されている。公式発表以外の情報は現段階では推測の域を出ないため、過度な期待で非公式ルートの情報に飛びつかず、公式ブログと公式Xの続報を待ちたいところだ。
Soneiumの今回の動きは、日本のWeb3ゲームやNFTプロジェクトにとっても見逃せない。これまで日本発のIPは、海外のブロックチェーン基盤に「乗せる」形でトークン化・NFT化されるケースが多かった。Soneiumが$SONEIUMとTokenized IPを束ねることで、日本のIPホルダーが自社IPの経済圏を国内資本のL2上で構築できる選択肢が生まれる。
ブロックチェーンゲーム開発者の視点で見れば、「ゲームトークン」と「IPトークン」を同じL2上で設計し、$SONEIUMをハブに流動性をつなぐ設計も現実味を帯びてくる。たとえばキャラクターIPのトークンをゲーム内アイテムやガバナンスに紐づけ、ファン活動がそのままゲーム経済に流れ込むような構造も描けるだろう。
一方で、IPトークンは法的・権利的に扱いが繊細な領域であり、二次創作・ロイヤリティ・権利保有者への還元など、既存IPビジネスとの整合性をどう取るかが成否を分ける。Soneiumがソニー系基盤である強みを活かし、「ちゃんと権利が守られたうえで」ファン参加型経済を回せるかが、Tokenized IPモデルの試金石となる。
$SONEIUM発行計画とTokenized IP構想の発表は、Soneiumが「Web3エンタメL2」から「IPエコノミーの基盤」へと役割を再定義しに来た号砲だ。第1弾「もりうさ」のサイズ感は堅実で、まずは小さく回して成功事例を積み、その後に本丸のIPへつなぐ構えが見える。TGEやエアドロップ条件は未確定のため、Soneium Score勢は冷静に公式続報を待つのが得策だろう。日本発IPが主役になるWeb3経済圏の原型として、2026年の動きを注視したい。
Soneium 公式ブログ(Unveiling Soneium: The Onchain Entertainment Economy):https://soneium.org/en/blog/onchain-entertainment-economy/
Soneium 公式X($SONEIUM・Tokenized IP発表スレッド):https://x.com/soneium/status/2114635824600133771
Soneium Docs($SONEIUM Token):https://docs.soneium.org/docs/vision-paper/soneium-token
Soneium Portal:https://portal.soneium.org/en
Soneium 公式サイト:https://soneium.org/